待機電力の削減―使っていないものから削っていく―
テレビなどをコンセントにつないだ状態のとき、スイッチを消しているときも赤やオレンジのランプが点灯しています。これはスイッチを入れるとすぐにつくように、あるいはリモコンからの信号の待ち受けのために、わずかながら電気が流れている状態にあることを示しています。このとき消費されているのが待機電力です。各機器の待機電力は数W~1W以下とわずかなものですが、それらが集積すると結構な量になります。
使わない季節はエアコンの電源を抜く
待機電力を多く消費する家電の筆頭は、エアコンです。筆者の使うエアコンの場合、表示がすべて消えている場合で0.6~0.7Wを消費します。1日あたり14.4~16.8W、1年では5~6kWとなります。表示が点灯している状態では、7Wと10倍です。多いといってもわずかなものなのですが、集積するとバカになりません。エアコンの場合、夏季、冬季以外はまったく使わないことが多い家電ですから、使わない時期にプラグをつないだままにしておくのは、まるっきりの無駄ということになります。是非とも抜いておきたいところです。筆者の住まいでは、エアコンはブレーカー上でも独立して区分されているため、スイッチの切り替えで切っておくことができます。なお、機種によっては、つないでから運転するまでの間に1日程度のウォーミングアップが必要なものがあります。その場合、つないでからいきなり運転すると故障の原因となる場合があります。頃合いを見てつなぐようにしましょう。
テーブルタップ
機器によっては時計を内蔵しているなどの理由で切ると不具合が起きるものもあります。そこで、常時運転するもの、つないではおくもの、外出時や就寝時は切っておくもの、使わないときは切っておくものなどに区分し、スイッチ付のコンセントで管理しましょう。スイッチのついたテーブルタップには、一度にまとめて切れるものや、個別に切れるものなど、さまざまな種類があります。外出時は切っておくものなどは、一度に切れるようにしておくと便利です。
なお、電子レンジや食器洗い機など電気の消費量が大きなものは、こうした機器を通じて接続すると加熱して発火するなどの危険が生じることがあります。これらは、プラグを直接抜き差しすることにしましょう。電子レンジなどでは、待機電力を消費するものとしないものがありますが、プラグを抜いたとき、「ヒュゥッ」っと悲しげな音がするものは待機電力を消費します。その場合、使わないときには抜いておくとよいでしょう。
待機電力削減の効果―バカにならない成果が上がる―
下のグラフは、直近1年間の電気の消費量(オレンジの部分)と、節電開始以前の2010年度の電気の消費量(オレンジと緑の部分。時系列では必ずしも連続していません)とを比較したものです。緑の部分が、その差にあたります。節電を始めた当初は、冷房をとりやめてしまうような乱暴な取り組み方でしたが、最近では冷暖房はもとより、食器洗い機なども毎日使う状態ですから、この緑の部分の多くは、待機電力の削減によって得られたものです。
塵も積もれば山となるのたとえ通り、ひとつひとつは高が知れたものにすぎない待機電力も、徹底的に削減していくと、なかなかの成果が得られます。筆者の場合、現在、在不在を問わず四季を通じてコンセントに常時接続している家電は、15。そのうち待機電力を消費するものは、冷蔵庫を筆頭に、空気清浄器、時計、ターミナルアダプタ、光モデム、固定電話2台、FAX、それに玄関のインターホンの9つに限定しています。残りの5つは電源スイッチのついた電気スタンドなどの待機電力を要しないものです。それ以外の家電は、スイッチ付のテーブルタップなどで管理して、不在時などはすべて切って外出しています。常時接続する家電は、今後も減らせるものなら減らしていきたいと考えています。