電気料金とは―その仕組みと近年の変化を知る―
電気料金は、契約アンペア数に応じた基本料金と、使用量に応じて課金される従量料金からなります。従量料金は3段階に分かれ、「使えば使うほど負担が大きくなる」仕組みです。このほか、発電に用いる燃料費の増減に素早く対応できるよう、1996年から燃料費調整制度がもうけられています。これは毎月増減するため、電気料金の計算は、毎月変わります。またここ数年、太陽光などの再生可能エネルギーによって発電した電力を買い取る制度がもうけられ、その費用が付課金として一般利用者から徴収されています。
電気料金の値上げは、最近では震災時に発生した原子力発電所の事故以降、2012年の秋に1度行われたきりです。しかし実際には、燃料費調整による上昇や付課金の設定、さらには消費増税を加えると、1度の値上げ分をはるかに超えるほど高くなっています。そのため、「いくら節電しても料金が下がらない」ということも起きてきます。これでは節電の成果を実感することは難しいかもしれません。
そこで、下のような計算フォームを用意しました。このフォームでは、月々の使用量を、2010年以降の電気料金にあてはめて計算することができます。まず使用量を入力してから、プルダウンメニューから、知りたい年月に該当する時期を選んでいくと、集計結果が出る仕組みです。たとえば、現在の節電の成果を、4年前と比較する場合、現在の成果を4年前の時点の料金で計算することで、金額としての比較が可能になります。
なお、電気の利用契約には、さまざまな種類がありますが、ここでは、一般的によく利用されているものとして、東京電力の従量電灯Bを取り上げます。
電気料金仮想計算システム
現在の使用量を、以前の料金にあてはめてみると、近年の電気料金の値上がりぶりや変化がよくわかると思います。そして、節電を試みる際には、料金でなく月あたり使用量の日平均で比較することの合理性もお分かりいただけることと思います。