電力料金値上・消費増税・再生エネルギー付加金 すべて吹き飛ばす!

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使わなければ成果は上がる―この夏冷房やめました―

  はじめは電気の使いようがありませんでした。地震で部屋の中は家具が倒れ、寝床周辺に居場所を確保したほかは、歩き回ることもできない状態だったからです。テーブルタップのプラグは、あちこちで家具に押されて抜けていました。しかも、その上に家具などかかぶさり、つなぎなおすにはまず部屋の片づけが必要。食器洗い機などは給水、排水の2本のホースで宙に浮いていました。それでも使用量が前年よりやや減った程度であるのは、エアコンが健在だったからでしょう。赤の実線が2011年度、黒の点線が前年度の日別使用量です。

2011平均使用量
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
2011年度 11.91 9.33 8.32 7.09 7.10 6.91 6.52 4.87 3.52 9.68 12.59 10.48
節電前 13.67 10.78 9.41 10.16 9.69 11.52 10.19 9.20 9.55 13.58 14.14 12.04

 片づけが一段落したあとも、食器洗い機や衣類の乾燥機は使う気がおきず、使う電気製品の数も種類も減ってはいました。4月分は、前年比1割減ほどでした。これを維持、拡大していくことが、節電の最初の取り組みとなりました。
 まず目をつけたのは照明です。それまで白熱灯を使っていた箇所を、より消費電力の少ない器具に変更するわけです。電力消費の少ない照明といえば、まずはLEDです。しかし、これが高い。電球1個で数千円したりします。これではいくら節電のためとはいえ、財布のほうがもたない。そこで電球型蛍光灯へと方針を変え、部屋中のすべての照明を蛍光灯に変更しました。ビームランプ型のように安くはなかったものもありますが、大半は100円ショップで用意できたので、お金はあまりかかりませんでした。
 春先からしばらくの間の休日は、この照明の交換と家具の固定のために費やしました。それでも電力使用量の減少分は、1割程度のままでした。
 「ここらでドカンと減らしたい」
 そんな思いから着手したのが、冷房の節減です。設定温度を下げるとか、すだれを下げるなど、方法はいろいろあるようでしたが、私が選んだのはもっとも簡単な方法、冷房そのものをとりやめてしまうことでした。その効果は、電気の消費量(表の9月分に相当)にはっきり表れています。4~6月分では-1.09~-1.76kwhだった前年同月との差が、7月分では-3.07、8月分では-2.59kwh、さらには盛夏の8月の使用分に相当する9月分では、-4.61kwhと拡大しています。
 

待機電力削減に着手―一気に1段料金へ―

 冷房の中止は暑さと引き換えに節電の「成功」をもたらしてくれましたが、これはあくまで夏場だけのこと。電気の使用量は春先よりは下がってはいますが、横ばいに近い状態です。何らかの打開策が必要となってきます。そこで今度は、待機電力の削減に乗り出すことにしました。待機電力は個別に見れば微々たるものであることから、あまり期待はしていなかったのですが、とりあえずほかの方法は思いつきません。
 「だまされたと思って試してみよう」
 そんな気持ちでした。
 待機電力の削減のためにまず最初に行ったのは、エアコンのプラグをコンセントから引き抜くことでした。そもそもこの夏1回も動かさなかったエアコンのプラグが、刺さったままにしてあったのはうかつなことでした。そして次に行ったのは、部屋中のテーブルタップをコンセントから抜いて集めることでした。
 我が家のテーブルタップは、いろいろな種類のものがありました。ただ6口に分かれているものが2つあるほか、コンセントのひとつひとつがスイッチでオン、オフできるもの、6口全体を一度に切り替えるスイッチのついたもの、また、6口のうち半分にだけスイッチがついていて、残りにはついていないものもありました。
 次に電気器具の振り分けを行いました。電話やFAXのように常時つないでおかなければならないもの、パソコンのモニターやプリンターのように不在の時には切っておいてかまわないもの、そして使うときに電源を入れればよいものといった具合に分類したわけです。そのうえで、それに応じて接続するテーブルタップのコンセントを振り当てなおしました。6口を一度に切り替えられるものには、不在時は切っておいていいものを集めるといった具合です。
 これはなかなかの成果をもたらしてくれました。おかげで12月分の使用量は、もともと電気をあまり使わない季節だったこともあり、料金もなんと1段料金の範囲内で済んでしまいました。こうして節電に頭悩ますことは終了。と、なればよかったのですが、そうはいきませんでした。
 暖房が必要な季節になると電気の使用量は、ぐんぐんと増え、ピーク時には前年との差は-1.55kwhとなり、春ごろと違わない水準となってしまったのです。設定温度などは、それなりに気を使っていたのですが、暖房費削減のためには、あまり役立たなかったようでした。もとより暖房の電力使用量には在宅時間や、その年の気温なども大きく関係しています。ともかく暖房対策は、まるまる翌年以降の課題として残ってしまいました。

契約内容の変更

  • 従量電灯B、40A → >従量電灯B、30Aに(2011年6月に変更)。

電気の年間使用量と年間に生じた料金

  • 年間使用量  3,034kwh(前年より1,053kwh減少)。
  • 料金の総額 71,308円(税込、口座振替割引分差引済。前年より2,1203円減少)

3段料金が適用された月

  • 4カ月(4、5、2、3月)
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 本欄の企画、構成、執筆は片柳正直堂が担当しました。片柳正直堂は、書籍、雑誌等の取材、執筆、編集、また自費出版のお手伝いなどを扱っています。詳しくは片柳正直堂のページをご覧ください。また下記のお問い合わせフォームからのお問い合わせも受け付けています。