設定温度を下げながら寒気と闘う方法
住まいに電気以外の熱源を持たない筆者の場合、1年で最も電力消費が多いのは、夏場でなく冬場です。この冬場をどう乗り切るかが、筆者の節電にとって、最大の課題と言えます。そこで、毎年それなりの工夫を講じて臨んでいます。
エアコンと設定温度
エアコンの設定温度は18℃にしていました。それでも電力消費が減らないので、2014年の冬は、暖房の入れ始めから14℃にしてみました。ただ真冬になるとそれではやはり寒く、結局14~17℃の間くらいでしのぎました。その際、下に掲げたような空気のかくはん、窓の断熱を同時に行うことは、欠かせません。何度に設定しようが、熱が逃げていく環境ではエアコンはフル稼働状態です。
サーキュレーターで空気をかくはん
暖気は上に昇る性質があります。エアコン自体も高いところに取り付けてあります。エアコンの風向調節だけでは空気のかくはんが不充分なため、天井に近いところにサーキュレーターを設置してて空気をかくはんします。もうひとつ、床に設置して上向きに強風を送る方法があります。実際に両方を試してみると、後者のほうがよいようです。
窓の断熱
筆者の住まいは、比較的窓の多い部屋です。採光の良さは魅力ですが、夏の日差しと冬のガラスの冷たさには、正直閉口させれています。そこで冬場の窓には断熱材が必要となります。緩衝材として用いる、いわゆる「プチプチ」(右)や、ビニールカーテン(カーテンライナー)(左)を使ってみました。両方使ってみたところ、窓枠まで覆える後者のほうがよいようです。
足元の暖房
エアコンの設定温度を18℃まで落としましたが、その代わりに足元の暖房を追加してみました。ひとり用の電気カーペット(左)です。これはなかなか快適でした。以前、スリッパ型に左右に分かれた足温器を利用していたことがあり、これはさらに快適で、しかも使用電力も小さかったのですが、コードの断線でショートして廃棄しました。就寝中は電気アンカ(右)を利用しています。
暖房対策の成果と気温―大雪と平均気温の意外な関係―
実線が、その月の日平均気温、点線がその月の日平均電気使用量です。節電開始前の2010年度が黒、2011年度が赤、2012年度が緑、2013年度が青になります。
最も平均気温が低かった2011年度(2011年12月~2012年3月)の電気の使用量が比較的小さく、それより暖かかった2012年度の電気の使用量が群を
抜いて高いのは、在宅時間の差によるものだと思います。
断熱材の使用は2013年の年明け(2012年度)に着手しましたが、やはり在宅時間の長さが打ち消してしまったものか、目に見えた成果はありませんでした。ただし、同じく年明け早々に断熱材を貼った翌年(2013年度)の場合、電気の使用量は下がっています。また2013年度は、上に挙げた暖房対策を初めてひと通り実施しており、それらすべての成果なのかもしれません。まだまだ暖房対策は成功したとは言えませんが、2013年度に至って、ようやく抑え込むめどが付いたというところです。
どちらの冬も東京は大雪に見舞われたことが印象に残っています。だからといって平均気温が際立って低い年であったわけではないことが、このグラフを見るとよくわかります。記憶の中にある「寒い冬」は、平均気温とは必ずしも一致しないわけです。