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代表:寺村 淳 (東京大学法学部卒、日本製鉄17年勤務)
中央経済社刊。税込3,456円
本書を書くにあたり次のような方を想定しました。
・ 英語ができるからという理由で英文契約業務の担当になったけれど法学はあまり知らないという方。
・ いままで営業担当だったが、急きょ、海外現地法人に赴任し、総務や法務を行うことになった方。
・ 総務の担当だったが、契約法務も担当するよう指示された方。
・ 貿易実務の担当だったが、英文契約書まで見るように言われた方。
このような法学部卒ではない方、あるいは契約実務の経験がない方を想定し、そのような方でも、効果的・効率的に「英文契約実務と和文契約実務の双方」を理解できるよう、和文及び英文の双方を交えて、「債権」「危険負担」といった基礎的な法律用語やキーワードから、契約実務において最も重要なポイントの解説、さらには、実際の契約チェック・修正実務の考え方などを説明しています。
英文契約(国際契約)でも和文契約(国内契約)でも、取引に関する契約で重要なポイントはあまり代わるものではなく、従って、日本語の契約と英文の契約を区別して学ぶ必要はないと考えています
(勿論、ある程度の英語力は必要ですが)。
英文契約の本を見ると、多くは、英文契約の特殊性を前面に出しているようです。
和文契約実務に堪能な方であれば、和文契約と英文契約との「差」「違い」を学ぶほうがわかりやすいということかも知れません。
しかし、企業間の取引契約における重要なポイント、相手から出された契約案についてのチェックと修正を行うべき重要箇所の多くは、国内契約でも英文契約でも共通したものです。
契約は、契約締結後において、企業活動上の具体的な行動指針又は行動準則となるものです。
納入された商品は何時までに検査しないとだめなのか、その検査方法や基準は誰がどのように決めるのか、保証期間はどの程度か、等々が契約で定められていなければ、売主も買主も、共に困ることになります。
日本の契約には「不明点は協議で解決する」という定めがあり、これで安心だとする人もいるかもしれません。
しかし、この「協議解決」の条項は法的効力を持たない条項です。
もし、この規定が法的効力を持つものならば、裁判管轄や仲裁の規定は不要なはずですが、ほとんどの契約には裁判管轄の規定がありますし、たとえそれがなくても、裁判に訴える道が閉ざされていると考えている契約当事者は、存在しないでしょう。
実は、このような「別途協議」に委ねることは、将来における紛争発生の種を蒔いているにすぎません。別途協議して、合意できなかったら、裁判になる、これが協議事項を採用した場合の結論です。これでは、何のために契約を締結したのかわかりません。
別途協議をする必要がないほどに、契約上でいろいろなことを一義的に明確にしておくこと。 これが契約の最重要ポイントであり、このことは、英文契約(国際契約)であろうと和文契約(国内契約)であろうと、まったく同じなはずです。
今回の「1冊でおさえる 英文・和文 契約実務の基本」は、このような視点に立ち、敢えて英文契約と和文契約を区別せずに、各契約条項のポイントを説明しています。
その内容は、早稲田大学オープンカレッジでの英文及び和文契約実務に関する講義を含め、これまでいろいろなところで担当させていただいた契約実務に関するセミナーを通じて、受講生の皆さんにご説明してきたことでもありますが、逆にこれらセミナーを通じて筆者自身が学んだ成果でもあると思っています。
上記の趣旨の通り、法学初心者でもわかるように、債権とはなにか、危険負担とは何か、といった基礎的な用語や法律概念についてもできるだけ説明しています。
ページ数は約300ページ、3200円(税抜き)です。
* ちなみに、この本では英文の文法や単語などの解説は最低限にとどめております。
その点、H28年に刊行されましたアルク社の「はじめての英文契約書の読み方」では英文自体について丁寧に解説しております。
同書は、幸いにもH29年9月に増刷となりましたので、引き続き、こちらもよろしくお願いいたします。
本書は「英語そのもの」により明確に照準を合わせた英文契約の解説本です。
経済のボーダーレス化が加速するなか、企業が避けて通れないものは、何と言っても英語の問題でしょう。
交渉のための英会話も必要でしょうし、インターネットなどに溢れる情報を素早くくみ取る速読のスキルも必要となります。
しかし、これまで外国企業との取引があまりなかった企業にとっては、英語の契約書を正しく理解し、リスクを減らし、あるいはリスクを固定化して国際事業を展開していくことが緊急かつ重要な課題になっていると思います。
契約書は、当事者の権利と義務を定めたものであり、商売である限り、そこには必ずリスクが存在します。
これは、国内取引においても国際取引においても基本的に変わるところはありませんが、英語のネイティブではない日本人が、英文契約とそこに潜むリスクを正しく理解することは、多くの未経験の企業にとっては相当の困難があると思われます。<
本書は、上記のようなこれまで国際取引や英文契約にあまり関わってこなかった方、英語があまり得意ではない方などを念頭におき、その最初のステップとして作成されたものです。
これまで、既に多数の英文契約に関する実務書が刊行されていますし、これらの多くにも日英対訳が書かれています。しかし、対訳のみでは、英文を細かく分析して読むことなく、とりあえずその訳文を読み、それに続く法律的な解説を読んで、英文条項が「分かったような気になってしまう」という問題があるように思います。
英文契約の内容を正しく読み取っていくためには、英語の構文をひとつひとつ把握しながら、じっくり読み込むことが必要です。
ただ、英文契約は、その一般的な強面のイメージとはうらはらに、そんなに難しいものではないと思います。一度そのパターンに慣れてしまえば、現代作家の刑事小説などよりずっと簡単だと思われるのです。確かに、単語や慣用句に見慣れないものもありますが、ビジネス英語会話で用いられている慣用表現に比べれば、はるかに限定されています。従って、構文を含めて英文契約の各条項をじっくり検討する機会さえあれば、多くの方が英文契約を読むことができるようになると思います。
本書は、以上を念頭に置き、英文契約に対する「強面」のイメージを払しょくし、実際の英文契約に自信を持って取り組んで行くための端緒となるよう、英文自体・構文自体の説明に可能な限り沢山のページをさきました。
諸先輩の書かれた類書が既に多数出版されている中敢えて本書の執筆を引き受けたのも、上記の理由によるものです。
本書は、これまでご依頼頂いた仕事によって得させていただいた知識・ノウハウの集大成であり、本書により少しでも読者の英文契約実務のお役に立つことができれば、望外の喜びと存じます。
・総合法令出版刊。税込1,512円
「契約書の内容に何を織り込むか、どのように変更するか、などという点については、単に契約書式を見るだけではわかりません。逆に、契約条項の本質的な意味を理解すれば、誰でも契約条項を作ったり修正したりすることが出来ると考えています。
私は、企業の中で、毎日毎日何件もの契約を起案したり審査したりしてきました。特に、ソフトウェア開発契約のような非常に難しい契約を数多く見てきました。
本書は、上記のような考えのもと、典型的な書式だけを掲載したうえで、その各条項の意味について出来るだけ応用の効くように解説致しました、前著「これで納得!契約書のつくり方」の改訂新版です。
なお、改訂にあたり、「これで納得!契約の基本」の記述も一部取り入れるとともに、新たに多くの図版を採用しました。
本書を読んでいただければ、契約というものに対する考え方や修正のポイントがわかるようになり、契約に関する応用力を養うことができると考えています。
前著と同様、一人でも多くの方が、本書を活用されて契約というものに親しみを感じてくれるようになることを、著者として祈って止みません。
・総合法令出版刊。税込1,512円
「契約は、大根を買ったり、CDプレーヤーを購入したりといった日常生活で、実は大変数多く交わされています。しかし、通常は問題が起きないと意識しないものです。
大根を買う場合には、たとえ問題となっても大したことはありませんが、CDプレーヤーやDVDレコーダーなどに至っては、故障したときなど、契約条件がどうなっているか、実は大変大きな問題になり得ます。
本書は、契約を出来るだけ身近に感じていただくことを主眼とし、契約の考え方、契約条項の基本的な意味などを可能な限り噛み砕いて説明致しました。
また、インターネット取引についてや、消費者保護のためのクーリングオフ、消費者取消権などの制度についても、かなり詳しく触れています。」
・総合法令出版刊。税込1,404円
(本書は、「図解 これで納得!契約書のつくり方」として改題改訂のうえ、2008年1月に新たに刊行されています。
上記「図解 これで納得!契約書のつくり方」の欄をご覧ください)