一級建築士対策 学科Ⅳ(構造)
構造設計一級建築士が解説する一級建築士 学科Ⅳ(構造)対策です。構造設計の実務者が一級建築士問題の解く時にこう考える。一級建築士を受験される方に学科Ⅳ(構造)を勉強する上にヒントになる解説をします。
次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物の基礎、主要構造部等に使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料として国土交通大臣が定めるおのは、「国土交通大臣が指定する日本工業規格又は日本農林規格に適合するもの」又は「国土交通大臣の認定を受けたもの」でなければならない。
- ボルト孔の径は、ボルトの径より2mmを超えて大きくしてはならないが、ボルトの径が20mm以上であり、かつ、構造耐力上支障がない場合においては、ボルト径よりも3mmまで大きくする事ができる。
- 鋼材の長期許容せん断応力度は、長期許容引張応力度の1/√3である。
- プレキャストコンクリート柱・梁部材は、国土交通大臣が定めた構造方法による場合、鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さを3cm未満とすることができる。
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Q.002
金属材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- アルミニウム合金材の梁の接合に用いる高力ボルトは、一般に、接触腐食の起こらないように溶融亜鉛めっき高力ボルトを用いる。
- 建築構造用ステンレス鋼材に定めるSUS304Aの基準強度は、板厚が40mm以下のSN490Bと同じである。
- 炭素鋼のシャノピー衝撃試験において、試験温度を低くしていき、ある温度以下になると吸収エネルギーが急激に低下し、脆性破壊を起こしやすくなる。
- リン(P)や硫黄(S)は、鋼材や溶接部の靭性を改善させるために添加される元素であり、多いほうが望ましい。
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Q.003
コンクリートに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 圧縮強度試験用供試体に用いた圧縮強度試験において、荷重速度が速いほうが小さい強度を示す。
- 水和熱及び乾燥収縮いよるコンクリートのひび割れは、単位セメント量が少ないコンクリートほど発生しにくい。
- コンクリートの中性化速度は、圧縮強度が大きいほど遅い。
- 近年では、設計基準強度が100N/mm2を超えるコンクリートも使用されている。
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Q.004
木材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 同一等級構成集成材で、ひき板の積層数が2枚又は3枚のものは、梁等の高い曲げ性能を必要とする部分に用いる場合、曲げ応力度を受ける方向が梁の積層面に平行になるように用いる。
- 木材の繊維方向の曲げ、引張り及びせん断の基準強度並びに繊維直交方向のめり込みの基準強度の大小関係は、一般に曲げ>引張り>せん断>めり込みである。
- 積雪時の許容応力度計算をする場合、木材の繊維方向の長期許容応力度は、通常の長期許容応力度に1.3を乗じた数値とする。
- 垂木、根太等の並列材に構造用合板を張り、荷重・外力を支持する場合、曲げに対する基準強度は、割増しの係数を乗じた数値とすることができる。
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Q.005
建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄骨造の建築物の限界耐力計算において、塑性化の程度が大きいほど、安全限界時の各部材の減衰特性を 大きく評価することができる。
- 耐震設計において、高さ10m、鉄筋コンクリート造、地上3階建ての建築物の場合、鉄筋コンクリート造の柱・耐力壁の水平断面積が所定の値を満足していれば、保有水平耐力の算出は行わなくてもよい。
- 層間変形角の確認において、構造耐力上主要な部分の変形によって建築物の部分に著しい損傷が生じるおそれのない場合には、層間変形角の制限値を1/120まで緩和できる。
- 鉄筋コンクリート造の柱は、せん断補強筋量が規定値を満足する場合、主筋量が多く入っているほど変形量が大きい。
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Q.006
耐震計画上の基本的な事項に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物の耐震性は、強度と靭性によって評価され、靭性が低い場合には、強度を十分に大きくする必要がある。
- 構造体の強度・靭性が同じ場合、一般に、建築物の全体の軽量化は、耐震性を向上させる。
- 各階で重心と剛心が一致しているが、剛性率が0.6未満の階があると、地震時にねじれ振動を起こし損傷を受けやすい。
- 鉄骨造の建築物の計画において、梁間方向を純ラーメン構造、桁行方向をブレース構造とする場合、方向別に耐震計算ルートを採用してもよい。
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Q.007
建築物の構造計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 鉄筋コンクリート造の建築物における垂れ壁や腰壁の付いた柱は、垂れ壁や腰壁の付かない同一面内の柱と比べて、靭性が高いと判断した。
- 圧密沈下が生じる可能性がある地盤において、不同沈下による障害を抑制するために。独立フーチング基礎の基礎梁を剛強にした。
- 高層建築物について、長周期地震動への対応としてダンパーを導入し、制振構造の建築物とした。
- 鉄骨造の純ラーメン構造の建築物の耐震設計において、必要とされる構造特性係数Dsは0.25であったが、0.3として保有水平耐力の検討を行った。
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Q.008
図のような材料とスパンが同じで、断面が異なる単純梁A及びBの中央に集中荷重Pが作用したとき、梁Aの曲げによる中央たわみδAと梁Bの曲げによる中央たわみδBとの比として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、梁は弾性を保ち、自重は考慮しないものとする。また、梁Aは重ね梁で、接触面の摩擦は考慮しないものとする。
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Q.009
建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 建築物の固有周期が長い場合や地震地域係数Zが小さい場合には、地震層せん断力係数Ciは、標準せん断力係数C0より小さくなる場合がある。
- ガスト影響係数Gfは、一般に、建築物の高さと軒の高さとの平均Hに比例して大きくなり、「都市化が極めて著しい区域」より「極めて平坦で障害物がない区域」のほうが大きくなる。
- 高さ13m以下の建築物において、屋根ふき材については、規定のピーク風力係数を用いて風圧力の計算をすることができる。
- 多雪区域においては、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせる必要がある。
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Q.0010
鉄筋コンクリート構造の部材の性能に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 柱の曲げ剛性を大きくするために、引張強度の大きい主筋を用いた。
- 耐力壁のせん断剛性を大きくするために、壁の厚さを大きくした。
- 梁の終局せん断強度を大きくするために、あばら筋の量を増やした。
- 耐力壁の終局せん断強度を大きくするために、コンクリートの圧縮強度を大きくした。
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Q.0011
鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- はり部材における鉄筋とコンクリートの許容応力付着応力度は、上端筋の場合よりも 下端筋の場合の方が大きい。
- 地震時の柱の靭性を確保するためには、帯筋を多く入れるより主筋を多く入れたほうが効果がある。
- 部材の靭性を確保するためには、部材がせん断破壊する前に曲げ降伏するように設計する。
- 柱の帯筋は、せん断補強のほかに、帯筋で囲んだコンクリートの拘束と主筋の座屈防止にも役立つ。
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Q.0012
鉄骨構造の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 「耐震計算ルート1-1及び1-2」では、標準せん断力係数C0を0.2として地震力の算定を行う。
- 「耐震計算ルート1-2」では、偏心率が0.15以下であることを確認する。
- 「耐震計算ルート2」では、筋かいの水平力分担率の値に応じて、地震時応力を割り増す。
- 「耐震計算ルート3」では、筋かいの有効細長比や柱及び梁の幅厚比等を考慮して構造特性係数Dsを算出する。
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Q.0013
次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 床の鉛直方向の弾性たわみを小さくすることは、一般に、床振動による障害を抑制する効果がある。
- 一般的な鉄筋コンクリート造の事務所建築物の場合、地震力計算用の地上部分の固定荷重と積載荷重の和は、床面積1㎡当たり10~15kN程度である。
- コンクリート造の床スラブに生じる長期たわみを小さくするには、一般に、スラブを厚くするよりコンクリートの強度を大きくするほうが効果がある。
- 鉄筋コンクリート造の建築物において、保有水平耐力を大きくするために耐力壁を多く配置すると、必要保有水平耐力も大きくなる場合がある。
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Q.0014水平力が作用する杭基礎に関する次の記述のうち、次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 水平地盤反力係数は、杭幅が大きくなるほど大きい値となる。
- 長い杭において、杭頭が固定の場合、杭の曲げ剛性、杭幅及び杭に作用する水平力が同じであれば、 水平地盤反力係数が大きいほど杭頭曲げモーメントは小さくなる。
- 長い杭において、杭頭の水平変位は、杭の曲げ剛性、杭幅及び杭に作用する水平力が同じであれば、 水平地盤反力係数が大きいほど小さくなる。
- 地震時に液状化する可能性がある地盤では、水平地盤反力係数を低減して、杭の水平力に対する検討を 行う。
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Q.0015鉄筋コンクリート構造の部材の強度に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 柱の終局せん断耐力を増すために、コンクリートの圧縮強度を大きくした。
- 大梁の終局曲げ耐力を増すために、コンクリートの圧縮強度を大きくした。
- 耐力壁の終局せん断耐力を増すために、コンクリートの圧縮強度を大きくした。
- 柱梁接合部の終局せん断耐力を増すために、コンクリートの圧縮強度を大きくした。
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Q.0016鉄筋コンクリート造の建築物の構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 地震時の変形に伴う建築物の損傷を軽減するために、靱性のみに期待せず強度を大きくした。
- 細長い平面形状の建築物としたので、地震時に床スラブに生じる応力が過大にならないように、張り間 方向の耐力壁を外側のみに集中させず均等に配置した。
- 1階をピロティとしたので、地震時に1階に応力が集中しないように、1階の水平剛性を小さくした。
- 地震力に単独で抵抗できない屋外階段であったので、建築物本体と一体化し、建築物本体で屋外階段に 作用する地震力に抵抗させた。
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Q.0017直接基礎の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 地盤の粘着力を測定するために一軸圧縮試験を実施した。
- スウェーデン式サウンディング試験にて地盤の許容応力度を求めるにあたり、基礎の底部より下2mm未満までの間にスウェーデン式サウンディングの荷重が1kN以下で自沈する層が存在しない事を確認した。
- 砂質地盤の許容応力度を求めるにあたっては、地盤の粘着力よりも内部摩擦角の影響の方が大きい。
- 建物に生ずる有害な変形(沈下)が発生しない事を確認するために、地盤の許容応力度が建物の接地圧以上である事を確認した。
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Q.0018鉄骨構造の設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 梁の弱軸まわりの細長比が200で、梁の全長にわたって均等間隔で横補剛を設ける場合、梁の鋼種がSN400BよりSN490Bのほうが横補剛の必要箇所は少なくなる。
- 引張力を負担する筋かいを保有耐力接合とするためには、筋かいの軸部の降伏耐力より、筋かい端部及び接合部の破断耐力を大きくする必要がある。
- 隅肉溶接部の有効面積は、「溶接の有効長さ」×「有効のど厚」により求める。
- 圧縮力と曲げモーメントを同時に受ける柱の断面は、「平均圧縮応力度σcを許容圧 縮応力度fcで除した値」と「圧縮側曲げ応力度cσbを許容曲げ応力度fbで除した値」との和が1以下であることを確かめる必要がある。
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Q.0019建築構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 耐震構造の建築物は、極めて稀に発生する地震に対して、倒壊・崩壊しないことが求められている。
- 建築物の内部にダンパーを組み込んだ制振構造は、多くの鉄骨造の高層建築物に採用されており、地震や風による振動の制御に効果を発揮する。
- 積層ゴム支承を用いた免震構造は、建築物の高さが低く、短周期で揺れる建築物に適しているので、高さ 60mを超えるような超高層建築物には用いることはできない。
- 鉄筋コンクリート造の建築物において、高強度コンクリートや高強度鉄筋の実用化により、高さ100mを超える建築物が数多く建設されている。
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Q.0020図のような梁A及びBに等分布荷重wが作用したときの曲げによる最大たわみδAとδBとの比として、正しいものは、次のうちどれか。ただし、梁A及びBは等質等断面の弾性部材とする。
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