創刊号 発刊にあたり、交際費課税の強化

発行にあたり


猛暑だった夏も去り、秋風のさわやかな頃となりました。
さて、今年の7月26日をもって、永嶋税理士事務所も創立3周年を迎えることができました。これもひとえに顧問先の皆様方の温かいご支援の賜物と厚くお礼申し上げます。今までは、事務所の運営に必死でしたが、現在はスタッフも私を含め5名になり、更なる勉強と同時に何か皆様に多少なりともお役に立つ情報をお届けしようと、永嶋税理士事務所通信の発行を決意しました。何分にも初めての経験なのでいろいろミスもあるかと思いまずがどうぞ皆様の温かいご支援とご協力によって末永く続けていきたいとおもっておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 

交際費課税の強化


平成6年度税制改正の中に、交際費の損金算入限度額の変更がありました。
会社が交際費を支出した場合は、原則としてその各年度の所得の金額を計算する上で損金の額に算入できません。(交際費は、1円も経費になりませんということです。)
ただし、資本金が1,000万円以下の会社の場合は、その支払った交際費の額のうち年400万円以下の金額を、資本金が1,000万円超5,000万円以下の会社の場合は、年300万円以下の金額を損金として算入することができました。しかし、今回の改正で資本金が5,000万円以下の会社の支出交際費のうち、今まで今まで損金算入できた金額のうち、10%相当額について損金に算入できないこととされました。

この改正は、平成6年4月1日以後に開始する事業年度の法人税について適用されます。
(平成7年3月決算からです)


(具体例1)資本金1,000万円以下の会社
支出交際費の額380万円(年)
改正前 全額損金算入
改正後 380万円×10%=38万円
    38万円が損金不算入
☆     38万円について税金がかかるということです。


(具体例2)資本金1,000万円以下の会社
支出交際費の額500万円(年)
改正前 500万円-400万円=100万円
    100万円が損金不算入
改正後 500万円-400万円=100万円
    400万円×10%=40万円
    100万円+40万円=140万円
    140万円が損金不算入
☆    140万円について税金がかかるということです。

 

経理上の留意点


上記のように、従来は交際費が400万円以下(資本金1,000万円以下)であればいずれの勘定に入っていてもあまり問題になりませんでしたが改正後の交際費については、最低支出した交際費の1割は課税されるので、交際費が否かは重大な問題です。交際費でないものが交際費勘定に入らないように経理の方には気をつけて下さい。記帳の際、必ず科目を書くように心がけて下さい。

 

交際費等の規定


交際費とは、「交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する、接待供応、慰安贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう。」をいいます。
交際費から除かれるもの
☆     厚生費
専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用。
☆     広告宣伝費
カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用。
☆     会議費
会議に関連して茶菓子、弁当、その他これらに類する飲食物をきょうよするために通常要する費用。
☆     編集費
新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会その他の記事の収集のために、又は放送のための取材のために通常要する費用。

 


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1994年10月01日