第13号 住宅所得のための贈与、ゴルフコンペは全員参加でも課税?

住宅取得のための贈与

バブルの崩壊から景気は悪くなる一方ですが、土地の価額は下がり、分譲住宅の購入も夢ではなくなってきました。金融公庫の金利も3.25%と史上最低となり、この際、子供に資金援助して一戸建てやマンションをと考える方もいらっしゃることと思います。
もちろん親から子供のお金をあげると贈与税がかかりますが、1,000万円までの部分については、贈与税が軽減される特例があり、そのうち300万円までは、贈与税がかかりません!!
<贈与税が軽減される要件>
① 住宅を買うために本人が、両親又は祖父母から現金をもらうこと。
② 現金をもらった日前5年間に、本人又はその配偶者の持っていた住宅に住んでいないこと。*この要件は見落とされがちなので注意して下さい。例えば夫が所有していたマンションを売却して、一戸建てを夫婦で購入しようとし、妻が両親から現金の贈与を受けた場合は、この制度は使えません。
③ 本人の合計所得が1,200万円以下であること。*サラリーマンの場合1,442万円以下です。
④ 購入した住宅の床面積が、50㎡以上240㎡以下であること。
⑤ 中古住宅を購入した場合には、その建築経過年数は耐火建物であれば20年以内、木造住宅であれば、15年以内である必要があります。
⑥ もらった現金で住宅を購入して、翌年3月15日までにそこに住むこと。
⑦ 確定申告をすること。
以上の要件をすべてクリアした場合にはじめて贈与税が軽減されるので、要件に注意しながら贈与して下さい。
☆ 500万円贈与した場合の贈与税額は20万円
☆ 1,000万円贈与した場合の贈与税額は70万円
やっとマイホームを手にした後に、多額の贈与税がかかってしまうのは大変です!

ゴルフコンペは、全員で参加でも課税?

質問
当社は今年の秋の社員旅行に、1泊2日、全額会社負担で、全員参加のゴルフツアー(1人あたり8万円)を計画しています。この場合、従業員の税金はどのようになるのでしょうか。


回答
所得税の基本的な考え方は、給与のように現金による収入の他に、経済的利益の供与も収入であると考えています。
そこでいくら慰安旅行であっても、従業員は会社から経済的利益を受けることには変わりないため、原則的には所得税が課されることになります。しかし、社会通念上一般的に行われる慰安旅行で、下記の条件を満たすレクリエーション費用としての経済的利益は、原則として、課税しなくても差し支えないとされています。


(1) 旅行の期間が4泊5日以内であること。
(2) 参加従業員の割合が50%以上であること。


しかし税務上、ゴルフについては、社会通念上一般的に行われる行事の範囲には、入らないと判断されています。ですから、会社の福利厚生事業として開催し、社員全員が参加し、かつ会社負担金額が少額であったとしても、課税対象となると考えられています。
とはいっても、質問のようにただゴルフという理由で課税されるのは納得できません。
1年に1回のゴルフコンペで、しかも慰安旅行の一環で少額の場合は、福利厚生費でも認められるのではないでしょうか。


社会通念上という言葉の範囲が一番難しいので、このように判断に迷う場合は、必ず、事前にご相談下さい。

 

 


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1995年10月01日