第121号 特定の居住用財産の買換え 料率UP厚生年金保険 新刊のお知らせ相続税・贈与税の実務全書

特定の居住用財産の買換え

 「特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失および繰越控除制度」

  昨年の暮れも押し詰まった12月半ば過ぎ、急に改正案が浮上し、今年の 3月26日国会で可決承認され、皆様も既にご存知のとおり、平成16年分以後の所得税及び平成17年分以後の個人住民税について、土地、建物等の長期譲渡所得の金額又は短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、土地、建物等の譲渡による所得以外の所得との通算及び翌年以降の繰越控除は認められなくなりました。


 しかし、住替えによる居住水準の向上を促進するとともに、住宅投資の促進による住宅市場の活性化を図る観点から、また住宅価格が下落する中、ライフステージに応じた住替え等をきめ細かく支援するため、一定の居住用財産の譲渡損失に限っては、損益通算・繰越控除が認められます。
 平成18年12月31日までの間に、所有期間が5年を超えるなど一定の居住用財産を譲渡し、その譲渡の日の属する年の前年1月1日から翌年12月31日までに、一定の買換え資産を取得して、その取得をした日の属する年の12月31日において、その買換資産について金融機関等からの10年以上の割賦償還等一定の住宅借入金等の金額があり、かつ、その住宅を取得をした日の属する年の翌年12月31日までの間に、その個人の居住の用に供したとき又は供する見込みであるときにおいて、譲渡損失があるときは、損益通算を認めることとされました。


 損益通算をしてもなお譲渡損失があるときで、合計所得金額が3,000万円以下の年は、その年の翌年以後3年以内の各年の所得金額の計算上、繰越控除をすることができます。


 譲渡する相手はその個人の配偶者や直系血族など特別の関係にある者の場合には適用がありません。また買換資産である建物の床面積は50㎡以上であることが要件です。


 昨年までの規定は、譲渡資産についても借入金があることが要件でしたが、今年からは譲渡資産にかかる借入金の要件がなくなりました。


 この規定の適用を受けたいと思う方は、永嶋事務所までお問い合わせください。ここに記載しているほか要件がいろいろありますので、具体的にご説明いたします。


料率UP  厚生年金保険

厚生年金保険の保険料率が引き上げられます。平成16年10月分から(平成17年以降は毎年9月)毎年0.354%ずつ引き上げられ、平成29年9月以降は18.3%に固定されます。実務上は、平成16年11月分の給与から控除になりますので、給与計算の変更は来月からということになります。例えば標準月額報酬が30万円の人は、個人負担、会社負担それぞれ531円増加します。


新刊のお知らせ 相続税・贈与税の実務全書

岩下忠吾先生監修で「相続税・贈与税の実務全書」を発刊します。申告前から税務調査まで、900頁以上のかなり厚い本になります。岩下忠吾先生の主宰している岩下資産税研究会で書いたものです。私も少し書かせていただきました。相続税・贈与税全般はもちろん、申告の前の所得税・消費税の準確定申告・社会保険・年金関係の手続 ・事業承継の手続・相続人の青色申告・開業・消費税・遺産未分割の場合の所得税、相続時精算課税制度・農地の納税猶予・財産評価・納付・延納・物納(境界確認を含む)・納税猶予・申告後の諸手続・登記・税務調査および相続税・贈与税の申告書の作成事例などこれ1冊で相続税は、OKという本です。定価7,200円




 

 


永嶋税理士事務所通信の内容についてご質問ご意見のある方はご連絡下さい。
過去の永嶋税理士事務所通信をご覧になる場合は、こちらをクリックして下さい。


2004年10月01日