第374号 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き

所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き

  確定申告をするのに、現在ではAIが教えてくれますが、完璧に正しいか否かわかりません。しかし、国税庁の出している下記の「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」をご覧になれば、やり方が分かります。

     
昨今は毎年のように税法が改正されて、専門家の税理士でさえも大変です。個人で、ふるさと納税や、医療費控除の適用がある方は、税理士に頼むまでも無いとご自分で、スマホで申告される方が増えてきました。その際は、上記のサイトで確認しながら行うと良いと思います。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

 相続・遺贈により取得した土地、建物、株式などの財産を、相続後3年 10 か月以内に譲渡した場合、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができます。
 相続税を納付する場合、相続した土地を売却して、相続税を納付する方が多いのですが、先祖代々からの土地の場合は、譲渡価格の5%が取得費になることが多く、取得費加算で税額をかなり抑えられる金額も多いので、取得費加算は大事な要素です。
 これに比べ、株式の譲渡は、特定口座での運用で、確定申告をしない方が多いのと、わざわざ確定申告して還付になったとしても、住民税・健康保険・介護保険等の増額があるので、なかなか判断も難しく、今まで私の経験では、沢山の株式を売却して相続税を納付する方は、いらっしゃいませんでした。
 この度、株式を譲渡して、多額の相続税を納付された方が、取得費加算をしたいとのことでした。加算金額の計算式に当てはめると、多額になり株式の譲渡所得がマイナスになるので、上場株式等に係る譲渡損失の繰越金額として、3 年間は繰り越しができるのではと質問されました。
 しかし、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例は、その譲渡した資産ごとに計算して、所得がマイナスになるときは、所得が0円になるまでしか控除できません。

(措置法施行令 第 25 条の 16)

 ですから取得費加算をしてマイナスになる場合はそのマイナスを翌年に繰り越すことはできません。
 取得費加算をする前からマイナスの場合はもちろん繰り越しできます。


取得費加算の計算式は、
   相続税の総額 ×(譲渡相続財産の価額÷相続税課税価格の合計額)

【例えば】
 ・相続税総額 6,000 万円
 ・課税価格合計額 3 億円
 ・売却した上場株式の相続税評価額 8,000 万円
 ・売却した上場株式の加算前の取得費 4,500 万円

    6,000 万円×8,000 万円÷3 億円=1,600 万円  取得費加算


  ・売却価額 5,500 万円
  ・加算前取得費 4,500 万円
    株式譲渡所得の金額 は、5,500 万円 ー4,500 万円=1,000 万円
    ここに取得費加算 1,600 万円を加えると

       5,500 万円-(4,500 万円+1,600 万円= マイナス600 万円
      このマイナス 600 万円は、繰越しはできません。
      結論:株式譲渡所得の金額は0円です。


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2026年03月02日