妊娠中の注意

赤ちゃんはカルシウム泥棒？
　　よくこんな話しを聞きませんか？

『赤ちゃんにカルシウムを取られて歯がボロボロになったワ！』

　これでは生まれてくる赤ちゃんがかわいそうです。確かにお母さんのお腹のなかで赤ちゃんはへその緒を通して栄養をもらって成長します。でもお母さんの体のカルシウムをみんな取ってしまうわけではありませんし、取られた分は食事から十分に補われます。ましてや歯からカルシウムが溶け出すなどということはありません。

　妊娠して歯が悪くなる原因は

• つわりがひどく歯が磨けない
• 四六時中お菓子などを食べてしまう
• 出産のときに歯を食いしばってしまう
• 生まれてくると赤ちゃんの世話におわれて自分の手入れができない
• ホルモンのバランスがくずれて歯周病にかかりやすくなる

　中でも最後のホルモンのバランスはやっかいです。妊娠中は女性ホルモン（エストロゲン）を抑える黄体ホルモン（プロゲステロン）の分泌が盛んになります。この黄体ホルモンを好む歯周病菌が繁殖しやすくなるのです。（妊娠性歯肉炎）
　これは、女性ホルモンの分泌が少なくなる更年期以降の女性にもみられます。また、女性ホルモンの減少はカルシウムの流失を発生させ骨粗鬆症を引き起こします。結果、顎の骨ももろく歯周病にかかり易くなるのです。

　以上のことから女性はより一層歯の健康に気を付ける必要があるのです。