シオン便り


  塾長からのメッセージです
  これは、シオン学院の塾報「シオン便り」を再編集したものです。



テーマ@ 「やらない」から「できない」のか、「できない」から「やらない」のか?・・確かな学力をつけるには

テーマA 中学受験・高校受験・大学受験・・本人の特性に合わせた受験設計が必要です。

テーマB 個別指導・集団指導・・・どちらがいいのでしょうか。

テーマC 高校進学後の問題とは・・いわゆる16(シックスティーン)ギャップについて

テーマD スローフードとはいうけれど・・・親と子のコミュニケーションのいいとり方

テーマE 話しを聞く子に育てるには…





テーマ@ 「やらない」から「できない」のか、「できない」から「やらない」のか?・・確かな学力をつけるには

 なんだか、「ニワトリが先かタマゴが先か」みたいなタイトルで恐縮ですが、今日は学力不振について考えてみたいと思います。

 ずばり言います、小中学校の教科書レベルの内容では、「やらない」方が先になります。なんらかの原因で、勉強をやらなくなってしまう。学校の授業がうるさかったり、あるいは、なにかのきっかけ(ゲームやケータイなど)で本人が勉強に集中できなくなってしまうような事態は、比較的多く発生します。そうなると、まずその単元ができなくなります。(第1段階・苦手単元の発生)

 これをいくつかの単元繰り返しますと、「できない」から、ますます「やらなく」なってしまいます。こうなると、子どもというのは、「○○(教科名)は苦手」とか「○○は捨てる」なんて考えてしまいます。(第2段階・苦手科目の発生)

 さらに放置すると、「できないからやらない」「なにをやっても無駄」「なにをしていいのかわからない」というように、勉強全体を投げ出してしまうのです。(第3段階・勉強全体の放棄)・・もちろん、本人の性格が真面目ならば、第2段階でとどまると思います。

 シオンの生徒ならば、「やらない」ことは、許されません。塾の授業中は、とにかく「やります」。そして、宿題でもう一回「やらせます」。それでも「できない」=「やらない」のなら、居残り勉強させたり、呼び出したりして、なんとかして「やってもらいます」。

 そうすれば、教科書レベルならば確実に「できます」。教科書レベルが完全に押さえられれば、都立の上位校・三田や駒場あたりへの道がひらけてきますし、発展クラスならば、私立上位校の入試レベルの内容を、「やります」「やらせます」。

 ですが、もし、塾などに通わせないまま、第3段階ぐらいになってしまうと、なかなか厳しいものです。私の経験上、小学生の算数では、第1段階になるまで2−3ヶ月。それが、第2段階になるまで、半年強。そして第3段階には最短で2年ぐらいで到達してしまう可能性があります。(中学ではもっと短くなります。小学校では、ある程度出来ていた子どもが、中学にあがったとたんに脱落してしまうのは、このサイクルが非常に短いからです。)

 算数の基礎ができていないと中学に進んでも数学ができない。漢字ができないと文章が読めない。国語ができないと、社会もできなくなります。では、中学から始まる英語ができるかというと、そんなことには、なかなかなりません。なぜなら第3段階になると、本人の意欲が減退して「やらない」から、あらゆる科目が「できなく」なってしまうのです。

 またかりに中3ぐらいになって、本人に多少やる気が戻ってきたとしても、なにしろ数年分の勉強をやりなおさなくてはなりません。しかも、次々に新単元がでてきます。学力の再建は、至難の業となってしまうわけです。

 子どもたちは、もともと「できない」のではありません。「やらない」のです。どうか子どものサインを見逃さないようにしてください。そして、なるべく早い段階からのケアをおすすめします。

                              (小熊正義=塾長)

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