シオン便りA


テーマA 中学受験・高校受験・大学受験・・本人の特性に合わせた受験設計が必要です。

 近年、中学受験が一種のブームといえるほどに過熱しています。同業他社に通う子どもたちが、21時をすぎても、かばんを持って駅を行き来するのを見ると、ちょっとかわいそうにも見えてきます。(シオンの小学生は、受験生であっても、7時15分でに帰らせます。小学生にはこれが集中力の限度というものです。)

 そもそも、中学入試と言うのは、任意選択のものですので、もともとは成績が相当上位にあり、精神的にも早熟な子どもが挑戦することから始まりました。具体的にいうと……4月に学校の教科書が配られて新学年が始まります。ですが、学校の授業が始まっても、わかりすぎてしまって退屈です。それで仕方なく、さきの単元をパラパラめくっているうちに、半年先まで予習が済んでしまうような子どもです。
 「教科書レベルは完全だぁー」なんて子に、いざ中学受験対応のテストなりテキストをやらせてみます。すると十中八九できないわけですね。(中学入試の問題は、受験むけの勉強をしてない限り、まず解けませんから)
 そこで子ども自身が「なにくそ
!」と発奮して、受験勉強が始まるわけです。

 しかし最近は、本人よりも、親御さんの方が熱心です。もちろん、そこには、近年急に薄くなってしまった学校教科書や公立校への不安というのもあると思います。私学の方も、いろいろとカリキュラムを工夫しています。ですから、中堅私立中への志願者が、非常に増えています。こうした層が、中学受験のすそ野を広げていると言えるでしょう。

難関私立なら小4から始めなくてはなりませんが、中堅レベルの私立中でしたら、小6からのスタートでもなんとか間に合います。本人の資質を十分見極めた上で、受験の有無を決定してください。また、かりに受験しなくても、中学で飛躍するためには、小学生の頃から、教科書レベルを完全にした上で、ある程度高度な学習内容に取り組む必要があります。

 公立中に進学すると、高校受験です。中学受験は、親の熱意に大きく左右されますが、高校受験は、本人のやる気次第です。中2や中3にもなると、子どもも思春期を経験して、もう立派な大人です。今後の人生をどうすべきか、なんてことを、どんどん考えてきます。そこで、受験です。初めて、自覚的に自分の人生を選択しようと、自分なりに考えた上で勉強を始めます。親主導の中学受験とはちがった形で、受験勉強をしていくわけです。親が何を言っても、なかなか聞かない年齢ですので、本人が主体性をもって勉強に取り組めるような環境作りが大切といえます。ですから、私は「君の人生のための、君の勉強だよ。まず、君が努力するんだよ」と、いつもハッパをかけて、授業に臨んでいます。

 私立高校むきか、都立高校むきかは、本人のやる気の有無にかかわってきます。大学受験を念頭におくのであれば、私立の方が有利ですが、最近は都立高校もカリキュラムがよくなってきています。本人のやる気があれば、公立小→公立中→都立高→有名大学というコースも復活してきています。また逆に、本人の意思がまだ定まっていないような場合は、指導力のある私立高校にむいているといえるでしょう。(私立の大学付属高校が、お買い得であるのはいうまでもありません。)

 大学受験ともなると、もう親が出来ることはいくらもありません。本人次第です。もし高校での授業に不安(この不安には2種類あります。@授業がわからないという不安と、Aこの授業内容で志望大学に本当に受かるのか、という不安です)を感じたなら、是非ご相談下さい。当学院には高校講座も設定しております。

 有名中学に、塾の力なしにうかることはありえませんが、有名大学に、自分の力+若干の手助けでうかってしまうことはよくあります。それは、生徒自身が成長するにつれ、自分で計画し、自分で学習して、自分で問題を解決すると言う「対応力」をつけていくからです。そういう力がつくのが、思春期前後の3年間(13から16才ぐらい)だと思います。私も、子どもたちが、自分から学習できる大人になれるよう、潜在能力・自己解決能力を引き出すような指導を、日々心がけています。

                            (小熊正義=塾長)

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