ブルゴーニュでは、2種類以上の葡萄をブレンドすることはほとんどなく、数品種の葡萄から造られるボルドー地方のワインと、この点が大きく異なります。(パストゥーグラン「ピノとガメイのブレンド」など例外もあります。)
栽培される主な葡萄品種は、白用として、シャルドネ、アリゴテ。赤用として、ピノ・ノワール、ガメイなどがあります。
単一品種を用いながら、特徴ある味わいの性格は極めて多彩で、それは、この地方が太古スイスアルプスと中央山塊の隆起にはさまれてできたため、変化に富む地質(ほとんどが粘土石灰質土壌で、土壌の物理化学的な構成、深さ、標高、向きによって、ワインそれぞれの特徴や個性が生まれます。)をもちそれが複雑に入り組んでいるからであるといえます。
その上、革命後、農地は細分化されて払い下げられたため、狭い面積に多くの所有者がいる例も少なくありません。
また、生産者や醸造家の技術や才能が無ければ偉大なワインは生まれません。ぶどうの栽培、醸造、熟成にあたり、生産者はワインの誕生と熟成という自然の成せる技を方向付け、管理し、統括する。忍耐と判断能力、そして才能が必要な仕事で、生産者それぞれのスタイルがあります。
畑の位置、醸造技術の差により、同じ品種を原料としても違いが生まれるのです。このため生産者やネゴシアンの数だけ、醸造家の印が刻まれた異なったスタイルのワインが存在します。
ブルゴーニュの気候も、大陸性気候(寒い冬と暑い夏)で、ぶどうの樹の生長や、果実の品質、成熟に直接影響を与えています。
そのため、また、どの年も同じということはない、年によって違うということもブルゴーニュの豊かさであります。
これらの要因がブルゴーニュワインの奥深さであり最大の特徴といえます。
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