5日目 ホテルをチェックアウトし、今日は“ストーク・オン・トレント”へ スッターフォードシャー北部の6つの町からなるこの地方は、中世から 窯業が盛んなところ。 お茶には欠かせないカップ&ソーサなどお茶のお道具、陶芸の数々に 出会える。 その中でも“イギリス陶工の父”といわれた“ジョサイア・ウエッジウッド” の博物館・工場は、一度訪れて見たい場所であった。
簡単に創業者”ジョサイア・ウエッジウッド“について、ふれてみたい。 18Cに入るとイギリス窯業の活性化が進み、特に“ストーク・オン・トレント”には多くの 窯業工場が集まった。そのなかでも”ジョサイア・ウエッジウッド“は世界的に活躍した イギリスを代表する陶芸家である。 彼を一躍有名にした偉業は、なんと言っても”ジャスパーウエアー“ (ブルー地に白いカメオ様の浮き彫り細工)の完成である。 当時、イギリス国内で盛んに読まれていた”ギリシャ神話“。 その中に登場する色ガラスにカメオ模様の壷など。 彼はこの色ガラスにカメオ模様を陶器で作れないものかと、思いついた。 早々努力家で研究熱心な彼は、昼夜を問わず製作に没頭し、ついに5年の歳月をかけ 「ポートランドの壷」を完成させた。その偉業は世界中を驚かせた。 そして今もジャスパー・ウエアーと呼ばれるこのシリーズは、人気が高い作品である。 この他にも初期の”クリームウエアー”(軟質陶器)を完成させた功績は後の活躍の 足がかりとなった。 時のジョージ三世王妃シャーロット妃の受注のティーセット(クイーンズウエアー) などを手がけ、一躍話題を集めた。 この功名は、ロシアのエカテリーナ女帝にも届き、50人分のディナーセット (1952ピースの絵付け)トレードマーク(フロッグサービス)をつけ完成させ ビジネス面でも名を挙げた。 彼は、陶工の仕事を愛したとともに、音楽・芸術をも愛し、「おもてなし上手」でもあった。 彼の自宅には、数多くの芸術家・音楽家が集いとも親交を深めた。 ちなみに彼の長女の子(孫)は“種の起源”を著した“ダーウイン”である。 その“ジョサイア・ウエッジウッド”の銅像が工房の正面で出迎えてくれた。