お雛様

私は20歳で結婚して、翌年娘が生まれてから毎年必ずお雛様を飾ってきました。
何しろ親の反対を押し切って、学生結婚したので当然娘のために買うお雛様の予算は限られます。


お内裏様とお雛様だけにするか、安い7段飾りにするか迷いました。近所のおもちゃ屋さんに相談して、毎年1段づつ買うことにしました。7年かかって7段飾りが揃いました。8年目にひな壇ときれいな毛氈を買って全部が揃いました。

7年間は、タンスの引き出しを利用したり、本は沢山ありましたから、積み上げて壇を作りました。友人がたづねて来て、こんな狭いアパートに7段飾りを飾るなんて信じられないと言われましたが、私は子供の幸せな成長を願ってどうしても全部揃うまでがんばると言いました。


今考えてみるとおもちゃ屋さんも親切で良い人だったなと思いました。きっと21歳の若い無鉄砲な母親の必死な願いに協力してくれたのだと思います。

このお雛様は、孫が生まれた時、孫に新しいお雛様を買ったためしまう場所がなくなり、親戚にあげてしまってありません。残念なことをしました。


一昨年のお雛様は、2人の孫が大学と高校の進学準備ですっかり忘れ、2月28日にあわてて飾りました。昨年は娘も孫も忙しいので手伝えないと言われて飾りませんでした。でも私は、子供や孫の幸せを祈って飾り続けてきたので、途切れたくないと思いました。今年は夫と二人2時間かかって飾りました。


確定申告で仕事が忙しい時期だからこそ、飾り終えたときの喜びはご想像してください。これくらい時間の余裕ある生活をしたいと思いました。


2011年03月01日