世界遺産九寨溝・黄龍

反日デモの中、九寨溝・黄龍(キュウサイコウ・コウリュウ)へ夫と税理士の友人と総勢6名で行ってきました。

九寨溝・黄龍は中国四川省の北西部の山中に位置する世界自然遺産。 1992年に世界自然遺産に登録されましたが、奥地にあるため行きにくい場所でした。しかし2003年に九寨黄龍空港ができて、手軽に行けるようになりました。成都のイケメンガイドの案内で、九寨溝・黄龍を、成都では可愛らしいパンダも見学できました。このガイドは、日本人に助けられながら、アルバイトをして日本の大学を卒業した人で、日本人の優しさにとても感謝していました。

9月8日、朝6:30発チャイナ航空便で中国成都から黄龍へ。と思いきや成都の双流空港で霧のため出発が遅れました。1缶6元(75円)のビールと1袋32元(400円)の牛肉のつまみを買って宴会をしながら待つこと3時間余。10:00やっと出発、離陸からしばらくすると、太陽がまぶしく険しい山々が見えてきました。九寨黄龍空港は、こんな険しい山の中にあり、平らな長い滑走路を造るには、山を余程削ってできたのだろうと思いました。無事に海抜約3,400mの高地にある空港へ10:45着、快晴、非常に酸素が薄いです。(富士山の海抜は3,776m) 空港から黄龍までくねくねの山道を2時間バスに揺られ、ロープウエイの乗り場へ着いてビックリ!ものすごい中国人の数。服装も山ガールのように完璧な人が多くいました。酸素1缶をサービスでもらって、ロープウエイを降りると、永嶋の夫に一番早く高山病の症状が現れ、続いて永嶋と友人に現れ、ふらふらの状態で、五彩池までほぼ平坦な道3㎞を歩きました。

黄龍寺のある場所まで、あと僅か15分の登り階段下で、この3人はギブアップ。他の3人の帰りを待ちながら座っていましたが、早く下山しないともっと大変になりそうで、先に下山し始めました。ガイドは、私たち3人が心配でつきっきりでした。黄龍寺のある場所は、それはそれはきれいなところだったそうです。五彩池は、棚田のような石灰岩によって分けられた5つの池の色がそれぞれ違っていて、バスクリンを入れたような美しい色、緑色や水色の水が流れているのは、大変美しいそうです。ああ! くやしい!!もうちょっとのところだったのにとは思いながら、あのときは、一人で下山できなかったらどうしようと思うほど、辛かったのです。今年一人、昨年一人が高山病で亡くなっているそうです。

また現地のチベット人の雇用を守るため、管理人として雇い、彼等はゴミが落ちているとすぐに拾っていました。トイレもきれいでした。便座の部分にビニールのカバーがあり、足でレバーを押すと、そのビニール袋がスルスルと下に吸い込まれていくのです。そのビニールを大きな麻袋に入れて、天秤棒の両端にぶる下げて、走って山を下っている屈強な若者の管理人もいました。世界遺産の中には、汚いものは残さないのはすごいと思いました。

翌日は九寨溝です。原生林が生い茂った55㎞ほどの渓谷、大小100あまりの湖沼や瀑布が点在する景勝地です。透明の湖底には、樹氷のような「石灰華」が横たわっています。堆積物に石灰が付着して出来た堤に樹木の種子が引っかかり、そこに植物が生えて森が広がっていきます。大自然は、人間の想像をはるかに超えた造形を生み出す、天才芸術家です。


2012年10月01日