第198号 確定申告とシルバー人材センター

確定申告とシルバー人材センター

 シルバー人材センターは、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、国、地方公共団体からの支援を受けて運営されている公益法人(社団法人)です。シルバー人材センターは、仕事を請負、または委託の形式で受託し、会員に就業を依頼している関係から雇用契約は成立しません。シルバー人材センターは、会員には、仕事の実績に応じて報酬を「配分金」として支払います。

従って就業による収入は賃金にならないので会員の所得税は自己申告(本人が行う)となっています。

 配分金収入は、所得税法上『雑所得』に区分されます。雑所得の金額は原則として雑所得の総収入金額から必要経費を控除した額です。

しかし、必要経費が65万円未満の場合は、『租税特別措置法』第27条の適用により、65万円を上限として控除します。
(ただし、収入金額を限度としますし、給与のない場合です。)

給与収入のある会員は、65万円の給与所得控除が受けられますが、その場合、配分金収入にかかる控除額は65万円から給与収入を控除した残額(マイナスの場合は0)が控除限度額となります。

 公的年金を受給している会員は、配分金収入とは別に公的年金等控除を行えます。 
        (調布市HP参考)

例題 Aさん 67歳

年金 150万円

給与 B社でのアルバイト   36万円

配分金収入シルバー人材センター 60万円

配分金の必要経費 5万円 交通費・道具等

年金に係る雑所得 150万円-120万円=30万円

給与所得 36万円-36万円=0円

シルバー人材センターにかかる雑所得

原則 60万円-5万円=55万円

措置法第27条の適用

65万円-36万円=29万円(給与所得控除-給与収入)

必要経費を5万円に代えて29万円にできます。

60万円-29万円=31万円

合計所得金額 30万円+31万円=61万円

税金は、合計所得金額から社会保険や生命保険のほか基礎控除額(38万円)を控除して計算します。


 

 


永嶋税理士事務所通信の内容についてご質問ご意見のある方はご連絡下さい。
過去の永嶋税理士事務所通信をご覧になる場合は、こちらをクリックして下さい。


2011年02月01日