第175号 平成21年度税制改正案成立

平成21年度税制改正案成立

平成21年度税制改正法案が、平成21年3月27日の国会で可決・成立いたしました。

中小企業にとって特に変更となるのは、平成21年4月1日から平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度において、中小法人等の軽減税率について、22%から18%になったこと、欠損金の繰戻し還付の適用停止が、廃止になったことです。ただし、前月号に記載したとおり、繰戻しによる還付請求をした場合、必ず税務調査があり、この制度は利用が少なかったと聞いていますが、昨今の経済情勢では、利用が増加することでしょう。

個人としては、上場株式等の配当及び譲渡益について、昨年同様の7%(住民税とあわせて10%)の軽減税率を3年間、平成23年12月31日まで継続することになりました。

生命保険契約等のうち介護(費用)保障又は医療(費用)保障を内容とする主契約又は特約に係る保険料等について、現行の一般生命保険料控除と別枠で、4万円の所得控除(介護医療保険料控除)が創設されました。ただし、一般生命保険料控除及び個人年金保険料控除の適用限度額がそれぞれ4万円に下がります。これは、平成24 年分以後の所得税について適用されます。

電子申告に係る所得税額5,000円の特別控除制度の適用期限を2年間、平成22年分の確定申告まで延長することとなりました。平成19年分、20年分で既に5,000円の特別控除制度を適用された方は、該当しません。

住宅税制については、住宅ローン減税の優遇が手厚くなり、住宅を取得等し、平成21年から平成22年までの間に居住した場合、年末借入金残高の1%の税額控除を10年間受けることができます。最大で500万円になりますが、500万円の税額控除を受けることのできる人は、10年後でも年末借入残高が5,000万円以上あり、所得税額が毎年50万円以上の方です。

また、認定長期優良住宅(俗に言う200年住宅)の取得をした場合は、法律が新たに創設され、平成21年から23年に認定長期優良住宅を取得して居住すると、年末借入金残高の1.2%の税額控除を10年間受けることができます。最大で600万円になります。600万円も控除できる人は何人いるのかしら?

投資型減税として、自己資金で、既存住宅に特定の省エネ改修工事、バリアフリー工事をした場合の税額控除が創設されました。要件が厳しく、該当する場合は、建築士等の証明が必要になります。

取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度が創設されました。上場していない会社の株式を相続した場合に、今までは換金することもできないのに、多額の相続税を納付しなければならないということがありました。詳しくは、来月号に。

 

 


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2009年04月01日