第98号 自動車の取得価額

自動車の取得価額

自動車を購入した場合、明細書に細かく費用が書かれています。一体どれが固定資産として計上しなければならないのか判断に迷うことがあると思います。今回は、元国税不服審判所の審判官、現在税理士の広瀬彰氏の言が週間税務通信NO.2737に掲載されていましたので一部引用させていただきます。


 ①自動車税
 ②自動車重量税
 ③自賠責保険料
 ④自動車取得税
 ⑤検査登録代行費用
 ⑥車庫証明代行費用
 ⑦車庫証明法定費用
 ⑧納車費用


 固定資産の取得費は、購入代価のほかに引取運賃、荷役費、運賃、運送保険料、購入手数料、関税その他その資産の購入のために要した費用の額、及びその資産を事業の用に供するために直接要した費用の額の合計額です。なんだか全部固定資産になるようですよね。ただし


 ①自動車税は、毎年4月1日現在の自動車の所有者に対して課される税です。
 ②自動車重量税は、自動車検査証の交付を受ける自動車等に対して課される税です。
 ③自賠責保険料は、運行する自動車に強制的に付けられる保険料です。


①②③いずれも自動車を所有することにより支出する事後的費用と考えられます。
④自動車取得税など、登録のために要する租税公課は、取得価額に入れないことができます。それは、自動車取得税は、自動車の取得を原因として課税される一種の事後的費用であり、その性格も流通税的なものや、第三者に対抗するための要件を具備するための費用と考えられることから、必ずしも自動車の取得価額に算入すべき費用と、言い切れない面があるとの考えに基づくものです。
⑤⑥⑦の検査登録代行費用、車庫証明代行費用、車庫証明法定費用は、新規に自動車を使用しようとするときに受ける検査・登録を、販売店を通して行政書士に代行を依頼して行うことが一般的で、その手数料や代行費用であり、これらの費用は自動車の取得に関連して支出されるものですが、所得税の取扱通達の趣旨から取得価額に入れないこともできます。

法人の任意です。
⑧納車費用は、検査登録等が完了した自動車の引渡しを受けるため、販売店から所有者の指定する場所まで届けてもらうための費用であり、その自動車を購入するために要した費用と考えられますので、その自動車の取得価額に算入する必要があります。

 

 

 


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2002年11月01日