第345号 生前贈与 不動産登記法改正

生 前 贈 与

 相続税は、被相続人から相続又は遺贈により財産を取得した者に係る課税価格をもとに計算します。
 課税価格は被相続人の資産の額から負債の額を控除し、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産や相続時精算課税の適用を受けて取得した財産の額を加算します。
 相続税の申告と納税は、各相続人の課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を超える場合に必要です。

 基礎控除額は、3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数です

 相続税の申告は、被相続人が死亡した日の翌日から10か月以内に行うことになっています。相続税率は、10%から最高は55%になっています。
 平成27年度から、現在の基礎控除額になったことで、申告納税する方が増加しています。 そこで、多くの皆様は、子供たちへ生前贈与して、少しでも相続税の負担を下げようと考えています。
 そしたら令和5年度の税制改正で、加算する贈与額が3年前の贈与から7年前の贈与に改正されました。
 令和5年改正ですが、令和6年施行になり、7年間加算されるのは、もう少し先になります。
 少しでもご家族に贈与されたい場合は、今のうちが良いかと思います。
 現在相続人に対する生前贈与は、相続開始前3年間は相続財産に加算されますが、今後は、令和9年は前3年、10年は4年、11年は5年、12年は6年と1年ずつ増え、令和13年からは、相続開始前7年分が加算されます。
 ですから令和9年までは今まで通り、生前贈与加算は、3年間です。

 

不動産登記法の改正

 所有者不明土地の主要な発生原因は、相続登記の未了や住所変更登記等の未了とされています。相続が発生してもそれに伴って相続登記がされない原因は、

① 相続登記の申請が義務とされておらず、かつ、その申請をしなくても相続人が不利益を被ることが少ない。

② 相続をした土地の価値が乏しく、売却も困難である場合には、費用や手間を掛けてまで登記の申請をするインセンティブが働きにくい。

 などのことから、令和6年4月1日から、不動産を取得した相続人に対し、その取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられることになります。
 正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、10万円以下の過料に処されます。

 

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2023年06月01日