ID・パスワード方式による申告
今までインターネットで確定申告をする場合は、ICカードリーダライタが必要でしたが、平成31年(2019年)1月から、国税庁の確定申告書等作成コーナーが変わりました。「ID・パスワード方式」を利用してe-Tax送信が可能になりました。ICカードリーダライタがなくても申告できるのです。医療費控除や住宅ローン控除、学生さん等複数のアルバイト等による還付申告には、これからは頻繁に使われることでしょう。国税庁もそれを期待しての改正と思います。
もちろん今まで通り、 マイナンバーカード及びICカードリーダライタを使用した方法も可能です。「ID・パスワード方式」を利用するには、まず近くの税務署へ行って、職員と直接対面して、本人確認を行います。その後発行された、ID・パスワード方式の届出完了通知を受領します。本人確認には、運転免許証などが必要です。
受領した「ID・パスワード方式の届出完了通知」に記載されたe-Tax用のID・パスワードを利用して、「確定申告書等作成コーナー」からe-Taxを行うことができます。
ICカードリーダライタが不要のため、スマートフォンやタブレットからの申告が便利になりました。ただし、確定申告書等作成コーナーで作成した申告書などのデータをe-Taxで送信するには、パソコンまたはスマートフォン等の利用環境が、一定の推奨環境を満たす必要があります。
納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について計算し、その所得金額に対する税額を算出して翌年の2月16日から3月15日までの間に申告と納税をすることになっています。
しかし、年の中途で死亡した人の場合は、相続人が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告といいます。
※準確定申告をする場合の注意事項
(1) 確定申告をしなければならない人が、翌年の1月1日から確定申告期限(原則翌年3月15日)までの間に、確定申告書を提出しないで死亡した場合の準確定申告の期限は、前年分、本年分とも、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。
(2) 相続人が2人以上いる場合
各相続人が連署により準確定申告書を提出します。
(3) 準確定申告における所得控除の適用
イ 医療費控除の対象となるのは、死亡の日までに被相続人が支払った医療費であり、死亡後に相続人が支払ったものは、被相続人の準確定申告において医療費控除の対象にはできません。
ロ 社会保険料、生命保険料、地震保険料控除等の対象となるのは、死亡の日までに被相続人が支払った保険料等の額です。
ハ 配偶者控除や扶養控除等の適用の有無に関する判定は、死亡の日の現況により行います。(親族関係やその親族等の年間所得金額の見積り等)
準確定申告書には、各相続人の氏名、住所、被相続人との続柄などを記入した付表を添付し、被相続人の死亡当時の納税地の税務署長に提出します。