私道の用に供されている宅地の評価
最高裁判所平成29年2月28日判決において、「私道の用に供されている宅地につき客観的交換価値が低下するものとして減額されるべき場合を、建築基準法等の法令によって建築制限や私道の変更等の制限などの制約が課されている場合に限定する理由はなく、そのような宅地の相続税に係る財産の評価における減額の要否及び程度は、私道としての利用に関する建築基準法等の法令上の制約の有無のみならず、当該宅地の位置関係、形状等や道路としての利用状況、これらを踏まえた道路以外の用途への転用の難易等に照らし、当該宅地の客観的交換価値に低下が認められるか否か、また、その低下がどの程度かを考慮して決定する必要があるというべきであるとされました。
そこで、上記の最高裁判決の判示事項を踏まえ、国税庁は、「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱いを、 1都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって整備され、2道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されたものであり、3居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている「歩道状空地」については、財産評価通達24に基づき評価することとし、その土地の評価額の100分の30に相当する価額によって評価することとしました。この場合において、その私道が不特定多数の者の通行の用に供されているときは、その私道の価額は評価しません。
「歩道状空地」とは、歩道のように整備するが開発建物敷地に設置される空地のため、正式には歩道ではなく、敷地を開放している歩道状公開空地であり、歩行者空間を確保するために、歩道と一体となった歩道状空地をいいます。
相続税等の更正の請求
上記の取扱いは、過去に遡って適用されますので、これにより、過去の相続税又は贈与税の申告の内容に異動が生じ、相続税等が納めすぎになる場合には、国税通則法の規定に基づき所轄の税務署に更正の請求をすることにより、その納めすぎとなっている相続税等の還付を受けることができます。
なお、法定申告期限等から既に5年(贈与税の場合は6年)を経過している相続税等については、法令上、減額できないこととされていますのでご注意ください。
年金受給 必要期間10年
老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)を受け取るには、原則25年以上の加入期間が必要であった事はご存知かと思います。
しかし、平成29年8月1日からは、資格期間が10年以上あれば老齢年金を受け取ることができるようになりました。
資格期間が10年以上25年未満の方には、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所及び年金加入記録をあらかじめ印字した年金請求書(短縮用)及び年金の請求手続きのご案内を、黄色い封筒に入れて、日本年金機構から順次本人あてに送付されます。7月末日までには、該当の方全員に発送済みかと思います。
お手元に届きましたら、相談窓口は大変混雑することが予想されますので「ねんきんダイヤル」でご予約の上、お早めに手続きを行ってください。
電話 0570-05-1165
受給できる年金の額は、期間に応じるのですが、原則40年なので納めた期間が10年であれば、おおよそ1/4になります。
年金の決定後は、平成29年8月以降に「年金証書・年金決定通知書」が送られてきます。支払いは平成29年10月以降になります。
※国民年金の任意加入制度を利用されている方(ただし、65歳以上70歳未満の方に限ります。)で、平成29年8月1日に老齢年金の受給権を満たした方については、平成29年7月分の保険料が納付されていることを確認した後に、正しい年金額で決定するため、支払いが遅れる場合があります。
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