第290号 遺産分割協議の期限10年、印紙税軽減措置の延長

遺産分割協議の期限10年

  以前、相続税の調査のとき、「土地が遺産として計上されていませんね。」と調査官に指摘されてびっくりしました。過去にそんなことを言われた経験がなかったからです。
いつも必ず、名寄せを取ったり、相続人の方とお話して、すべての不動産を把握し、計上して申告していたからです。
その土地は,地方にある実家の土地で、名義が父親になっていました。被相続人は、長男でしたが、遥か昔東京に出てきて弟が後を継いでいました。ですから、被相続人は、妻にも子供にも実家に相続できる土地があるとは言っていませんでしたし、おそらく本人も弟が継ぐと思っていたと思います。しかし、調査官は、「父親名義ですから1/2を相続財産として遺産に加算してください。」と言いました。妻は、猛反発して、「その土地は弟の土地です。」と主張して、直ちに弟名義に登記しました。
 そんなことがありましたので、私は、相続税の申告を依頼されると、必ず相続登記の必要性を説明します。
また、何代にも渡って相続登記のしていない土地は、有効利用できず、さりとて登記するには莫大な費用が掛かるため、ほったらかしているケースが、全国で膨大な面積になっています。
この度、法務省は、遺産を分割協議できる期間を10年間にする法律を検討しています。2020年には、決まるかもしれません。
法律が成立すれば、登記していない土地は、10年経過すると法定割合で取得したことになります。
 【例示】法定割合:被相続人を基準として
妻・子供2人の場合 妻1/2と子供1/4ずつ
妻・兄弟3人の場合 妻3/4と兄弟1/12ずつ

  印紙税軽減措置の延長


   不動産譲渡契約書及び建設工事請負契約書について、平成9年から軽減措置が図られておりましたが、今年の3月までとなっていました。平成30年4月から32年3月31日まで延長されています。
1億円超は、1/2ではないので、ご注意!

 

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/inshi/pdf/0018003-093-01.pdf

 


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2018年11月01日