第208号 更正の請求期間の延長等について

 あけましておめでとうございます

東日本大震災や原発事故からの復興の中、欧州の債務危機や未曾有の円高による金融危機、タイの大洪水の影響など、昨年は日本にとってあまりにも大変な年でした。皆様におかれましては、直接的・間接的に影響を受けていらっしゃると思います。心からお見舞い申し上げます。
今年こそ、その場しのぎの改革ではなく、子どもたちの将来を明るく・安心・安全なものにしてほしいと思いますし、期待しています。

今年も宜しくお願い申し上げます。
 辰歳 元旦

 


更正の請求期間の延長等について

平成23年12月2日に、平成23年度税制改正に関する法律「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律」が公布されました。そのうち、「更正の請求」に関する主な改正内容をとりあげます。


○更正の請求期間の延長

更正の請求ができる期間が、従来の1年から、法定申告期限から原則として5年に延長されました。

 この措置の適用は次のとおりです。

(所得税関係)
平成23年12月2日の属する年分以後の所得税

(法人税関係)
平成23年12月2日以後に確定申告書等の提出期限が到来する法人税

(資産税関係)
平成23年12月2日以後に申告書の提出期限が到来する相続税又は贈与税


○更正の申出書

平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する国税で、更正の請求の期限を過ぎてしまった課税期間について、増額更正ができる期間内に「更正の申出書」の提出をすれば、調査によりその内容の検討をして、納めすぎの税金があると認められた場合には、減額更正されます(申出のとおり更正されない場合であっても、不服申立てすることはできません。)。

「更正の申出」を行う際には、「事実を証明する書類」の提出が必要ですし、「更正の請求」の可能な期間内である場合は、「更正の請求」の手続により更正をします。


○更正の請求範囲の拡大

当初申告の際、申告書に適用金額を記載した場合に限り適用が可能とされていた措置のうち、一定の措置については、更正の請求(又は修正申告書)の提出により事後的に適用を受けることができるようになりました。また、控除等の金額が当初申告の際の申告書に記載された金額に限定される「控除額の制限」がある措置について、更正の請求(又は修正申告書)の提出により、適正に計算された正当額まで当初申告時の控除等の金額を増額することができることとされました。


○「事実を証明する書類」の添付義務の明確化

更正の請求に際しては、更正の請求の理由の基礎となる、「事実を証明する書類」の添付が必要となることが明確化されました。したがって、「更正の請求」を行う際には、「事実を証明する書類」を確実に添付する必要があります。

この改正は、平成24年2月2日以後に行う更正の請求から適用されます。


○偽りの記載をして更正の請求書を提出した者に対する罰則の創設

内容虚偽の記載をして更正の請求書を提出した者に対する罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)が設けられました。


○増額更正ができる期間の延長

平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について、増額更正をすることができる期間が、改正前は3年のものについて5年に延長されました。

※更正の請求とは、申告書を提出した後に申告書に書いた税額等に誤りがあったことを発見した場合や確定申告をしなかったために決定を受けた場合などで、申告等をした税額等が実際より多かったときに正しい額に訂正することを求める場合の手続きです。


 

 

 


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2012年01月01日