第232号 平成26 年度税制改正大綱

あけましておめでとうございます

 2014年の日本は、消費税率が8%にUPすること、TPP交渉と日本の食糧自給率、原発や化石燃料から再生可能エネルギー等への転換、農業・医療分野の規制改革、福島原発の汚染水漏れ、社会保障支出の削減等々重要な課題が山積しています。
永嶋税理士事務所では、目前にある消費税率UPに、顧問先の皆様とともに対応すべく準備をしております。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
午歳 元旦

 

平成26 年度税制改正大綱

昨年12月12日与党自由民主党・公明党から平成26 年度税制改正大綱が発表されました。法人税関連は減税項目が目立つ一方、個人増税が気になります。

1. 復興特別法人税の1年前倒し廃止

従来は、復興特別法人税のため、法人税額の10%を追加課税されていましたが、1年前倒しで平成26 年3 月末で廃止されます。平成26 年3 月までに事業年度が始まる会社で、実務的には、平成27年2月決算の会社まで、申告します。

2. 生産性の向上につながる設備投資減税

平成29年までの間に、生産等設備を構成する有形固定資産で、生産性向上設備等に該当するもののうち、一定の規模以上のものの取得等をして、その生産性向上設備等を国内にあるその法人の事業の用に供した場合には、その取得価額の50%(建物及び構築物については、25%)の特別償却とその取得価額の4%(建物及び構築物については、2%)の税額控除との選択適用ができることとなります。

一定規模以上とは、
①機械装置 1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの

② 工具及び器具備品 それぞれ1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの
(それぞれ1台又は1基の取得価額が30万円以上で、かつ、
一事業年度におけるその取得価額の合計額が120万円以上のものを含む。)

③ 建物、建物附属設備及び構築物 それぞれ一の取得価額が120万円以上のもの (建物附属設備については、一の取得価額が60万円以上で、かつ、
一事業年度におけるその取得価額の合計額が120万円以上のものを含む。)

④ ソフトウエア 一の取得価額が70万円以上のもの
(一の取得価額が30万円以上で、かつ、
一事業年度におけるその取得価額の合計額が70万円以上のものを含む。)

3.大企業の交際費

資本金1 億円以上の大企業の交際費については、従来は全額課税されていましたが、飲食費については50%まで非課税となります。

中小企業の交際費については、平成25 年4月1日以後に開始する事業年度から年800 万円まで全額損金算入とされています。

4. 給与所得控除の見直し

給与所得控除額を年収1,200 万円超の会社員は平成28 年から230 万円、年収1,000 万円超の会社員は平成29 年から220 万円に引き下げられます。

5.ゴルフ会員権等の譲渡損失は控除対象外

譲渡損失の損益通算できない生活に通常必要でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)を加えることになりました。平成26 年4 月からは損益通算ができなくなります。譲渡損失で税金の還付を受けたいと考えていらっしゃる方は、今年3月31日までに売却する必要があります。

6.相続土地の譲渡所得での取得費加算制度

平成27年1月以後、相続した土地を譲渡した場合、取得費加算の適用があるのは、譲渡した土地等に対応する相続税相当額のみとなります。

6.消費税の簡易課税制度のみなし仕入れ率

現行第4種の金融業及び保険業を第5種事業とし、現行第5種の不動産業を第6種事業とし、そのみなし仕入率をそれぞれ50%、40%に引き下げます。
平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用となります。


 

 


永嶋税理士事務所通信の内容についてご質問ご意見のある方はご連絡下さい。
過去の永嶋税理士事務所通信をご覧になる場合は、こちらをクリックして下さい。


2014年01月01日