第66号 外形標準課税、電脳税務署

外形標準課税

石原慎太郎都知事は、先月23日東京都の定例議会に外形標準課税を適用する条例案を提出しました。 自民党など都議会の主要会派は、賛成する意向を示しておりますので3月末には成立する見通しです。その内容は、課税対象は資金量が5兆円以上の都内で銀行業を行う法人で人件費などの経費や不良債権の処理費用などを差引く前の業務粗利益に対し法人事業税を3%課税するというものです。 期間は、平成12年4月から始まる事業年度から5年間です。 都知事が2月7日の記者会見で、外形標準課税を全国で初めて導入する方針を明らかにしたことにより課税対象となる銀行業界は猛反対を訴えていますが バブル崩壊後、一連の銀行救済策に大きな不公平感を抱いている国民の銀行批判の声に掻き消されてしまっているようです。
外形標準課税については、以前から政府税制調査会で論議されており税調としては、従来の課税方法すなわち儲けに対する応能負担課税を改め応益負担に変更したいとの見解を示しています。
そして昨年7月に、外形標準課税の課税対象の基準として次のような4案をまとめています。

   1.事業活動価値 利潤+給与総額+支払利子+賃借料
   2.給与総額
   3.物的基準と人的基準の組み合わせ 事業所の面積+事業用資産+給与総額
   4.資本金+資本積立金の合計額

どの方法も一長一短があって、例えば給与総額を考えた場合サービス業の負担が多く なりますし、事業所の面積だと工場をかかえる製造業の負担が多くなりますので なかなか公平な方法を選ぶことは難しいのです。
その上、上記の1~4のいずれの方法を採用したとしても、赤字法人にとっては確実に増税になります。 税調は、外形標準課税について「現下の都道府県の財政構造が極めて不安定なものと なっていること等を踏まえれば、できるだけ早期にその導入を図ることが望ましいと考える」としながらも具体的な実施の時期については「景気の状況等を踏まえた上で」としていまし たので事実上、棚上げされた状態でした。


しかし今回の導入が引き金となって、全企業を対象とする外形標準課税の実施が早まるのではないかと思います。 理論的に応能負担は一番公平であるし、必要なことと思いますが申告時の納付税額を計算する私どもといたしましては赤字法人が多額の消費税を納付するだけでも大変なのに その上、更に法人事業税までも納付するのかと考えますと今から心が痛む思いがします。

電脳税務署

東京国税局は、先月17日に「電子商取引専門調査チーム」(Professional Team for E-Commerce Taxation)通称サイバー税務署 PROTECTを発足させました。


PROTECTは、電子商取引の普及を受けて査察部や税務署職員の中から特別に選抜された15名の調査官で構成されているチームです。パソコンを駆使して、電子商取引を行うあらゆる事業者を対象に所得税・法人税・消費税その他すべての税目を含めたところで税務調査が行われます。


それと一緒にプロバイダー等、周辺の関連事業者に対しても反面調査が行われるとのことです。インターネット上の取引は、国内は言うに及ばず海外とも簡単にできるのでPROTECTには、語学堪能な海外取引の専門的知識のある職員で なお且つ、ハイテクに強い職員が配置されており10年一昔といいますが、10年前の税務調査との様変わりにとても驚いています。

 

 

 


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2000年03月01日