第348号 インボイス制度適用開始

インボイス制度適用開始

 いよいよ、来月からインボイス制度が始まります。
皆様、準備はできていますか?インボイス適用開始が近づくにつけ、国は納税者がスムーズに対応できるように、対策を打ち出しています。
 令和5年4月に消費税法等の一部が改正され、インボイス制度に関して所要の見直しが行われました。


 4つのポイント
① 免税事業者からインボイス発行事業者になった方
 納税額を売上税額の2割に軽減
 インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になられた方については、仕入れ税額控除の金額を特別控除税額(※))とすることができることとなりました。
 ※特別控除税額は、課税標準である金額の合計額に対する消費税額から売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額の合計額を控除した残額の100分の80に相当する金額です。
この負担軽減措置は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間までです。


② 基準期間の課税売上高が1億円以下の事業者の方
 今回の改正で私が一番良かったと思う改正です。
 基準期間の課税売上高が1億円以下または特定期間(※)における課税売上高が5,000万円以下の事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの6年間に、国内において行う課税仕入れについて、その金額が税込み1万円未満であるものについては、一定の事項を記載した帳簿のみを保存することでインボイスの保存がなくても仕入税額控除が可能となりました。

 この特例はあくまでも消費税のことで、領収書がなければ所得税や法人税の計算上は、経費になりませんから、誤解のないようにお願いいたします。
 ※特定期間とは、個人事業者:前年1月~6月までの期間、法人:原則として前事業年度の開始の日以後6月の期間
 1万円未満に該当するか否かは、1回の課税取引の合計額です。

一度に複数を購入した場合は合計金額で判断し、1万円は、1万円未満ではありませんので、インボイスの保存が必要です。
 この負担軽減措置は、令和5年10月1日から令和11年9月30日までに行う課税仕入れが対象です。


③ 1万円未満の返品や値引きについて、すべての事業者の方について返還インボイスの交付が不要になりました。一番代表的なものが、振込手数料を控除して買掛金を振込んだ場合、振込手数料を控除された事業者は返還インボイスを振込んだ事業者へ交付しなければなりませんでした。これが改正され交付不要になりました。多分皆様最初から返還インボイスなんて気に留めていなかったのではと思います。770円とか880円を何十件何百件も送るなんてばかばかしい!無くなってよかったです。これは、期限がありません。


④ これから登録される免税事業者の方
 まだインボイスの登録申請をしていらっしゃらない事業者の方は、今月末9月30日までに登録申請書を提出すれば、インボイス制度開始日の10月1日から登録できます。

 

 

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2023年09月01日