第111号 年末調整です、1月から還付申告の受付、特定口座の源泉徴収税額

年末調整です

 年末調整の月です。事業者は、毎月従業員に給与を支払う際に、所得税を天引きしますが、この源泉所得税は、給与額や扶養親族などが、一年を通じて一定であるとした場合の仮の税額です。扶養の人数や所得金額などは、12月31日で判定しますから、年末にならないと確定できません。そこで年末調整の際に配偶者特別控除や生命保険料控除などが控除されることとなるのですが、その結果、一年間に天引きされた源泉所得税額と年末に計算された年税額(所得税)との間に差額が生じます。この差額を本人に還付しまたは徴収します。これら一連の作業のことを年末調整といいます。
 12月31日で判定するのに、どこの会社も年末調整の書類は11月末から12月はじめに提出するのは、事務処理が間に合わないからです。そのため、配偶者の所得金額など見積り金額により処理しますが、配偶者の12月の給与が違った場合や、年末調整の後に子供が生まれた場合などは、翌年1月末までに年末調整のやり直しをします。
 事業者は、年末調整が終わりましたら、1月末日までに従業員に「給与所得の源泉徴収票」を交付しなければなりませんのでお忘れなく。

 ☆年末調整の際の必要書類

① 扶養控除等申告書(16年分)

② 保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書

生命保険または損害保険の控除証明書

小規模企業共済掛金の証明書 (15年分)
③ 住宅取得控除証明書(2年目以降の人)
 12月半ば過ぎまでに永嶋事務所から用紙が届かない場合は至急ご連絡ください。

1月から還付申告の受付

 税務署の窓口は、3月になりますと大変混雑しますので、医療費控除など還付申告は、来年1月5日(月)からできますので、お早めに申告書を提出してください。確定申告書は、郵送により提出することもできます。郵送の際は、必ず返信用封筒に切手を貼って同封してください。
 還付金の受取りは、郵便ではなく、銀行などへの振込みをできるだけご利用ください。なお、振込みする口座は、申告される方ご本人の名義のものに限りますのでご注意ください。

特定口座の源泉徴収税額

 上場株式等(以下「株式」という。)について永嶋税理士事務所通信 107号(8月1日)に書きました。今年から上場株式等の源泉分離課税の制度がなくなり、特定口座の制度ができました。多くの株主にしてみればよくわからないまま1年が過ぎようとしています。そんな中、今年の1月から6月の間に、既に特定口座内で株式を譲渡し源泉徴収された税額が80億円になったそうです。


前回書きましたが、平成16年12月末までに限り、自宅のタンスの中や銀行の貸し金庫の中に保管している株式を、証券会社の特定口座に預けることができます。株式を購入して、ずっと所有したままにしておくという方はよろしいのですが、売買する予定のある方は、特定口座に預けて源泉徴収を選択されますと、株式を売却したときは、ご自分で譲渡損益の計算をしないで済みますので、便利かと思います。また、確定申告の必要もありませんので、専業主婦や被扶養者の場合、株式の譲渡益が所得金額に加算されず、被扶養者の判定や国民健康保険税額の判定に有利になることもあります。特定口座に預けても、源泉徴収を選択しない場合は、確定申告が必要となり、株式の譲渡益が所得金額に加算されますので、お間違えのありませんように。

通信107号(8月1日)をご参照ください。

 

 

 

 

 


永嶋税理士事務所通信の内容についてご質問ご意見のある方はご連絡下さい。
過去の永嶋税理士事務所通信をご覧になる場合は、こちらをクリックして下さい。


2003年12月01日