第158号 住宅ローン減税の控除率と控除期間、インターネット公売、ファイナンス・リース取引の税制改正

住宅ローン減税の控除率と控除期間

所得税から住民税への税源移譲により中低所得者層の所得税額が減少することに伴い、住宅ローン控除額を控除し切れなくなり、住宅ローン減税額が減少する場合があります。平成19年以後入居される方について、住宅ローン減税の効果を確保することができるよう、住宅ローン減税の控除率を引き下げる一方で、控除期間を10年から15年に延長する特例が創設されます。

平成19年以後入居される方は、来年3月の確定申告のとき、現行の税制と今回の税制のうち、ご自分に有利な方法を選択して申告することになります。
 平成11年から平成18年までに入居された方については、税源移譲により減少する住宅ローン減税相当額を住民税の申告により、平成20年度分以降の住民税から控除することができるよう措置されています。

勤務先で所得税の年末調整により住宅ローン控除をする方は、源泉徴収票に「住宅借入金等特別控除可能額」が記載されますので、控除不足が生じた場合は、来年3月に住民税の申告をし、その際必要書類を添付して住宅ローン控除をすることになります。
 また確定申告をされる方は、所得税の確定申告で必要書類を添付することにより、控除不足は自動的に住民税から控除されると思います。

平成19年に居住の方は、現行税制、税源移譲の特例のいずれも控除額は、最高限度額200万円で、平成20年に居住の方は最高限度額160万円です。

控除額現行税制  1~6年目 1.0% (借入金残高)

         7~10年目 0.5%  (〃)

税源移譲の特例  1~10年目 0.6%  (〃)

         11~15年目 0.4%  (〃)


インターネット公売  

国税局・税務署では、今月第3回のインターネット公売を行います。

インターネット公売とは

  公売は、滞納となった税金を徴収するために納税者の差押財産を強制的に売却する制度で、インターネット公売は、買受申込みなどの公売手続の一部について、実際の公売会場において行うのではなく、インターネットを利用して行うものです。これにより、買受人の利便性の向上が図られ、多くの方の公売への参加が期待されます。

  
 なお、平成19年度において実施するインターネット公売は、一般競争入札で決定されたヤフーのオークションサイトを利用して行います。あらかじめヤフーの官公庁オークションサイトで参加申込みを行い、公売参加申込期間 11月6日(火)午後1時から11月19日(月)午前11時までの間に受付します。


  公売保証金納付期限や必要書類提出期限その他については下記HPでご覧ください。


http://www.koubai.nta.go.jp/auctionx/public/hp001.php


ファイナンス・リース取引の税制改正

平成19年3月、企業会計基準委員会は、平成20年4月以降開始の事業年度から、ファイナンス・リース取引は、重要性が乏しい場合を除き、賃貸借処理を廃止し、すべて売買処理が適用されることを公表しました。

ファイナンス・リースは、支払は分割でも実態はリース期間中の解約が禁止され、もし解約の場合は残額を支払うなど、購入した物件について借入金で支払、分割で返済していることと代わりありません。

そこでいままでは、リース料として支払ったときに所得税、法人税法上、必要経費・損金に処理してきましたが、平成20年4月1日以後に締結するリース契約から資産として計上し、減価償却することとなります。消費税の計算は、契約した年度に課税仕入れになり、仕入税額控除をすることになります。


 

 


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2007年11月01日