あけましておめでとうございます
旧年中は、大変お世話になりました。
昨年10月の衆議院選挙で与党が過半数割れしました。ここ十数年自民党政権でしたので、自民・公明両党の税制改正案が、大方そのまま国会を通過しました。が、これからは、毎日のように与野党の論戦があり、3月末日までは、どのように税制が改正されるか注視しなければなりません。国民により良い税制改正にしてほしいものです。
今年もよろしくお願い申し上げます。
令和7年元旦 巳
178万円の壁
昨年10月の衆議院選挙で、給与収入の場合178万円まで所得税がかからないようにすると、国民民主党の提案がありましたが、自民・公明両党が12月20日に決定した令和7年度与党税制改正大綱には、基礎控除と給与所得控除それぞれ10万円増やし、現在の103万円まで非課税なのを、123万円にする改正案を決定しました。3月31までに、178万円になるか123万円になるか、その他の金額になるのか決まるでしょう。
現在の法律でも、給与収入が103万円を超えて働いたとしても本人の所得税は、いくらも増加しません。問題なのは、給与収入が、106万円・130万円を越したら社会保険に自ら加入しなければならず、その負担が大きいのです。
令和6年10月から「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」が行われ、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く方は、以下の条件にすべて該当する場合、健康保険・厚生年金保険の加入対象となります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・所定内賃金が月額8.8万円以上
・2か月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等とは、1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない)の総数が51人以上となることが見込まれる企業等のことです。
短時間労働者は含まないということは、アルバイトが多く50人以上いたとしても、正社員が少ない企業は、対象とならず、今まで通り130万円以下であれば、配偶者の被扶養者となります。ただし、将来的には、この51人以上の要件も無くなりそうです。
マスコミの報道によると、社会保険料を払うのが損のように感じるかもしれませんが、社会保険料は、半額は会社負担なので、将来受け取る年金は自分の払った金額の倍以上にはなります。
私は、以前から配偶者が103万円以下で働くことに疑問を感じていました。専業主婦は、社会保険料を納付しなくても、夫が厚生年金保険に加入していれば、65歳になったとき、老齢基礎年金が受給できるので、それで良しとしている方が多いのですが、現代は高齢者の寿命が延びて、退職してから亡くなるまでの期間が長いので、夫婦で老後をなんの心配もなく過ごすためには、夫婦共に厚生年金保険に入っておくべきです。
ですから、以前から皆様に社会保険に加入するようにお勧めしましたが、30年前は、まだまだ社会保険に会社が入ると、社員の保険料の会社負担もあるし、社員も手取りが減るので嫌がると拒否されることが多かったのです。その上、「永嶋さんは、社会保険庁の回し者じゃないか!」と怒られたこともありました。
そんな中、私の勧めで加入した会社の社長夫妻が、「永嶋さんに勧められて加入し、支払い始めたら、家賃のように払うものと思って払ってきたら、60歳を過ぎたので、そろそろ受け取れますが、払い始めたのが遅かったので、働ける間は、できる限り遅く70歳以上で受給するつもりです。」とのことでした。ご夫妻で加入したので、老後の心配がなくなり大変喜んでいらっしゃいました。
もちろん、働きたくても働けない方は沢山いらっしゃいます。その方々については、別の法律で対応して、働ける配偶者の方々には、時給をもっと上げて、200万円、300万円と収入を伸ばすべきと思います。
人手不足が叫ばれる昨今、なおさら主婦パワーに期待します。
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