第286号 平成30年分の路線価、印紙の形式改正、公益法人への遺贈

平成30年分の路線価

 平成30年分の路線価及び評価倍率を記載した路線価図等を明日7月2日(月)午前10時に国税庁ホームページで公開します。

財産評価基準は、相続、遺贈又は贈与により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合に適用します。ただし、法令で別段の定めのあるもの及び別に通達するものについては、それによります。  

相続税や贈与税において土地等の価額は、時価により評価することとされています。しかし、納税者の皆様が相続税等の申告に当たり、土地等についてご自分で時価を把握することは必ずしも容易ではありません。そこで、相続税等の申告の便宜及び課税の公平を図る観点から、国税局(所)では毎年、全国の民有地について、土地等の評価額の基準となる路線価及び評価倍率を定めて公開しています。


印紙の形式改正

 収入印紙については、券種ごとに偽造防止技術を施し、形式を改正し、平成 30 年7月1日から適用を開始することになりました。形式を改正する券種は、現行の 31 券種のうち19 券種です。200 円、300 円、400 円、500 円、600 円、1,000 円、2,000 円、3,000 円、4,000 円、5,000 円、6,000 円、 8,000 円、10,000 円、20,000 円、30,000 円、40,000 円、50,000 円、60,000 円、 100,000 円となります。
なお、改正前の収入印紙については、改正後の収入印紙の適用開始後も引き続き使用することができます。


公益法人への遺贈

 日本は、アメリカやイギリスに比べて寄付することが著しく少ないです。それでも少子化社会が進む中、遺言で個人や法人などへ贈与する方が増加しています。これを遺贈といいます。
遺言で法人へ遺贈した場合、相続税は課税されませんが、原則として時価で評価 した金額に対して、受贈益として法人税がかかります。赤字でない法人の場合は多額の税負担が生じるかもしれません。
ただし、公益法人等は、収益事業から生じた所得についてのみ法人税が課税されますので、公益法人等が不動産を遺贈により取得した受贈益が、収益事業に該当しなければ、法人税が課税されません。
数ヶ月前に、友人の税理士から、こんな案件があったのよ。と、話をしてくれました。
亡くなった方が、遺言で、複数の公益法人や、複数の一般団体へ遺贈する内容でした。弁護士さんと相談しながら遺言書を作られたそうです。
法人に対する不動産の遺贈の場合、被相続人が時価で譲渡をしたとみなされるので、その不動産に値上がり益があれば、被相続人に対して譲渡所得税の課税がされます。なお、その譲渡所得税は未払いの債務となり、相続税の計算上債務控除の対象となります。
公益法人等に対する一定の要件を満たす遺贈について、国税庁長官の承認を受けたものについては、上記にかかわらず、遺贈がなかったものとされ、所得税が課税されません。
遺言書の書き方次第では、不動産等があった場合、何ももらえない相続人に余分な税がかかる場合があります。遺言を書くときは、まずは遺留分を侵害しないように、遺贈を放棄された場合はどうするのか、土地建物などの不動産は包括遺贈にするか特定遺贈にするか、と判断は容易ではありません。また、包括遺贈を受ける立場の場合は、負債がついてくる場合もあります。遺言を考えていらっしゃる方は、弁護士と税理士と三者でよく相談してなさってください。
包括遺贈とは、遺言で贈与する場合、割合で贈与することをいいます。それに対して特定遺贈とは、その財産を指定して贈与します。そのため負の財産(借金など)があった場合、包括遺贈の場合は負の財産も相続することになります。特定遺贈の場合は、相続人でなければ資産だけもらうことができます。


 


永嶋税理士事務所通信の内容についてご質問ご意見のある方はご連絡下さい。
過去の永嶋税理士事務所通信をご覧になる場合は、こちらをクリックして下さい。


2018年07月01日