第109号 消費税簡易課税制度

消費税簡易課税制度

消費税の税額は、通常は次のように計算します。
(課税売上高)×4%-(課税仕入高)×4%(注1)
↑課税売上高消費税額  ↑仕入税額控除額
しかし、中小企業者の納税事務の負担を配慮して、簡易課税制度があります。
簡易課税制度は、その前々年の課税売上高が5000万円以下(注2) で、
この制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者に適用が
あります。この簡易課税制度は、仕入税額控除額を計算するのに(課税仕入高)×4%の代わりに、(課税売上高)×4%×みなし仕入率とするというものです。つまりひとつひとつの仕入れや費用をチェックして消費税を計算しないで済むので、納税事務の負担が軽くなるというものです。
みなし仕入率は、卸売業、小売業、製造業、サービス業、その他事業の5つに区分され、それぞれの区分ごとに決められています。
みなし仕入率
第一種事業(卸売業)    90%
第二種事業(小売業 )   80%
第三種事業(製造業)    70%
第四種事業(その他事業)  60%
第五種事業(サービス業)  50%
(注1) 実際の消費税は5%なのに4%なのは、国税と地方税に区分して計算し、後から25%増しに計算します。

(注2) 16年4月から始まる事業年度前までは2億円以下


◎2種類以上の事業を営む事業者
◇原則
 卸売業、小売業、製造業、サービス業、その他事業のうち、2種類以上の事業を営む事業者は、それぞれの事業ごとに仕入税額控除額の計算をします。
◇特例の計算
イ.2種類以上の事業を営む事業者で、1種類の事業の課税売上高が全体の75% 以上になる場合は、その事業のみなし仕入率を全体に対して適用することができます。
ロ.3種類以上の事業を営む事業者で、2種類の事業の課税売上高が全体の75% 以上になる場合は、その2業種のうち、みなし仕入率の高い事業については、そのみなし仕入率を適用し、もうひとつの業種とその他の業種については、もうひとつの業種のみなし仕入率を適用することができます。

ケーキ屋さんで検証

            売上高     売上割合
第一種事業 卸売  20,000千円  50%
第二種事業 小売  14,000千円  35%
第四種事業 喫茶   600千円  15%
第一種卸売と第二種小売の合計が全体の75%以上ありますので、第四種喫茶について、第二種小売と同じ、みなし仕入率を適用することができます。したがってみなし仕入率は、第一種卸売は90%、第ニ種小売及び第四種喫茶は80%になります。


結果

◇事業区分をしていない場合の取扱い
 2種類以上の事業を営む事業者が、課税売上げを事業ごとに区分していない場合には、一番低いみなし仕入率を適用して仕入控除税額を計算することになります。節税したい場合は、事業ごとに、課税売上げをはっきり区分して経理処理することが大切です。簡易でない簡易課税と言いたい
◎簡易課税制度の届出この制度の適用を受けるためには、納税地を所轄する税務署長に、適用しようとする課税期間の開始の日の前日までに、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を提出しなければなりません。この届出書を提出した事業者は、2年間は実額計算による仕入税額の控除に変更することはできませんので、よく考えてから選択してください。


ただいまホームページリニューアル中
本年中にアップします。乞うご期待!!

 

 

 

 


永嶋税理士事務所通信の内容についてご質問ご意見のある方はご連絡下さい。
過去の永嶋税理士事務所通信をご覧になる場合は、こちらをクリックして下さい。


2003年10月01日