第73号 法人の有価証券のクロス取引、サイバー税務署の活躍等

法人の有価証券のクロス取引

同一の有価証券(売買目的以外のもの)を、売却の直後に売却先から購入したり購入の直後に購入先へ売却するいわゆるクロス取引をした場合その売買はなかったものとされ、税務上無効とする通達が発表されました。


クロス取引は、各企業の決算対策として利用されることが多く公認会計士協会も売買とされない旨を既に発表していますが税務がクロス取引を公に無効としたのは、今回が始めてのことです。


売却・購入、購入・売却の手続きが、いくら証券会社等に依頼したとしても売買同時の契約がある場合は、その売買はなかったものと取扱われます。また契約がなかったとしても、売却・購入、購入・売却の取引が あらかじめ予定されたものであり、かつ売却価額と購入価額が近似値に設定されている ときは同時の契約があるものとして取扱われるようです。

サイバー税務署の活躍

永嶋税理士事務所通信66号(3月1日発行)に記載した電脳税務署(サイバー税務署PROTECT)は2月17日に東京国税局においてスタートしましたがその後、名古屋・大阪国税局にも設置されました。


この三国税局内のサイバー税務署は、発足から5カ月足らずの6月末までに個人法人合わせて74件、総額29億9千万円の申告漏れを指摘しました。さすが特別に選抜された優秀な調査官なのでしょう。自宅のパソコンでホームページを開設して8千万円の副収入を稼いだサラリーマン、アダルトサイトを運営した男子学生個人輸入代行業をしていた出版社等々のいろいろな手口の無申告を発見しました。


電子商取引は、実態把握が難しいとされていますので国税当局は、その道に精通した専門官を配置し不正行為の監視体制を更に強化する方針とのことです。


また三国税局のサイバーが開発した調査手法をCD-ROM化して全国の国税局、税務署に配布したそうです。



 


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2000年10月01日