ポイント還元事業
先月から消費税率が10%にUPしたことで、ポイント還元が複雑に始まっています。
キャッシュレス・ポイント還元事業は、10月1日から2020年6月まで、一般の中小・小規模事業者については5%、フランチャイズ加盟店は2%のポイント還元を国が補助するものです。そのうえ、PayPayやLINEPayほか各企業独自の派手なポイント合戦で、合わせるとかなりのお得になりますとマスコミを騒がせています。
キャッシュレス・ポイント還元事業について、10月1日から開始できる加盟店数は、約50万店です。加盟店登録申請数は、9月25日時点で約73万店です。
政府は、日本のキャッシュレス化の割合が低いので、この機会にキャッシュレス化を進めたい意向ですが、実際蓋を開けてみると、1/4くらいの利用率のようです。来年6月までの期間限定サービスに皆様振り回されて大変なことと思います。
ポイントは、課税される?
ポイントは、所得税法上経済的利益にあたるので、何らかの課税を受けます。
ポイントは、対価を支払うことなく給付を受けることができることから、贈与契約といえますが、ポイント保有者の意思表示つまりポイント発行者に対して請求することによって初めて確定するという停止条件付贈与契約です。停止条件付贈与契約であるので、ポイントが実際に使用された時に贈与契約は効力を生じ、その時点で課税されるべき所得となります。
所得区分に関しては、一般的に法人からの贈与として一時所得となりますが、業務に関連して取得したポイントについては事業所得等に、役務提供の対価として獲得したポイントについては雑所得となります。それでも、多くのポイントは一時所得と思われますし、一時所得の特別控除額によって、ほとんどの納税者は申告する必要はないと思われます。
「一時所得」
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。
(1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
(2) 競馬や競輪の払戻金
(3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
(4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。)
(5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
ポイントは、カード会社等から貰うもの、すなわち贈与を受けたものなので、上記の(4)法人から贈与された金品に該当しますので、一時所得になります。
一時所得の特別控除額は年間50万円ありますから、一般的には50万円以下となり税金の心配はありません。しかし、すべての一時所得の合計額が対象なので、上記(1)懸賞や福引きの賞金品
、(2)競馬や競輪の払戻金、(3)生命保険や損害保険の一時金、(5)遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等があれば合計することになります。
また、最近流行っているふるさと納税の返礼品も(4)の法人から贈与された金品ですので、一時所得となり、合算されます。一層のご注意をお願い致します。
所得として認識するのは、上記に記載しましたとおり、ポイントを使用した時点です。ポイントがたまっても、いつの間にか有効期限切れになる場合もあります。使って初めてポイントとしての利益を獲得することになります。
経営革新等支援機関
2012年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設され、私永嶋勝子は、2013年10月28日に、経営革新等支援機関として認定されています。今、更新期間中のため、申請中です。
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