第270号 確定申告、ふるさと納税ワンストップ特例制度

確 定 申 告

 今年も確定申告が始まっています。3月15日迄です。
 給与所得者は、勤務先で年末調整により所得税が計算されるため原則として確定申告を行う必要がありません。
しかし、下記に該当される方は確定申告を行わなければなりません。
     イ 給与の収入金額が2,000万円を超える。
     ロ 給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象
      となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の
      合計額が20万円を超える。
     ハ 給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の
      対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種
      の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える。
 ※ 給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、
    寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、
    さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下
の方は、申告は不要です。
  ニ 同族会社の役員やその親族などで、その同族会 社から給与のほかに、
貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払
を受けた。
  ホ 給与について、災害減免法により所得税及び復興特別所得税の源泉徴収
税額の徴収猶予や還付を受けた。
ヘ 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を
受ける際に所得税及び復興特別所得税を源泉徴収されない。


ふるさと納税ワンストップ特例制度

 ふるさと納税は、実質2,000円の負担で、お礼の品として、その地域の特産品が、送られてくるため、人気がでています。自治体がお礼の品として購入するものは、地域の産業振興につながっており、経済波及効果をもたらして、地方の活性化にとても貢献していると思います。
確定申告の不要な給与所得者等がふるさと納税を行う場合、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄附金控除を受けられる仕組みが創設されました。このふるさと納税ワンストップ特例制度は、平成27年4月1日以降に行うふるさと納税が対象です。
確定申告不要の特例の申請は、ふるさと納税先の自治体数が5団体以内で、ふるさと納税を行う際に各ふるさと納税先の自治体に特例の適用に関する申請書を提出した場合です。
特例の適用申請後に、転居による住所変更等、提出済の申請書の内容に変更があった場合、ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに、ふるさと納税先の自治体へ変更届出書を提出してください。
また、ワンストップ特例制度の申請を行った方でも、6団体以上の自治体にふるさと納税を行った場合や、住宅ローン控除・医療費控除のため確定申告を行う方は、ふるさと納税したすべての寄付金についての控除を受けるためには、これまで同様に確定申告を行う必要があります。
昨年6月の永嶋税理士事務所通信に、税額控除の計算式を書きましたが、ふるさと納税は、所得税と住民税から控除されます。しかし、ふるさと納税ワンストップ特例の適用を受ける方は、所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、ふるさと納税を行った翌年6月以降に支払う住民税の減額という形で控除されます。
ワンストップ特例申請にはマイナンバーが必要ですし、転居した場合など変更の届出も必要です。また、ふるさと納税をして、現在住んでいる自治体に多少申し訳ないと心が痛む方は、ワンストップ特例の適用を受けず、確定申告するのが良いかと思いました。
ただし、ふるさと納税は、実質2,000円の負担でと冒頭に書きましたが、その方の年収やいろいろな事情で、2,000円以上の負担になる場合もありますので、よく考えて、本来の寄付であることを念頭に置いて寄付をお願いいたします。

 

 


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2017年03月01日