第32号 中古車を購入したとき、金融金庫の金利引き下げ

中古車を購入したとき

今月は、新車登録してから、6年を経過した乗用車を購入した場合の損金算入限度額を考えて見ましょう。

☆損金算入限度額の計算
1.204.750円で買ったとき(消費税込み)
   a.消費税について税抜経理している会社
     195.000円は、全額損金算入
     9.750円は、仮払消費税として資産計上
   b.消費税について税込経理している会社
     固定資産に204.750円を計上してから、減価償却する。
     204.750円×0.684=140.049円←損金算入
              ↑耐用年数2年の償却率(定率法)※
 ※6年-6年+6年×0.2=1.2<2  2年未満は2年とする
 法定耐用年数を全部経過した中古資産を取得して事業の用に供した場合は、原則として、法定耐用年数により減価償却をすることになりますが、これでは実態にそぐわないので、法定耐用年数に代えて、その中古資産を事業の用に供した時以降の使用可能期間を見積もり、これを耐用年数として減価償却の計算をすることが認められています。見積方法には、次の2通りがあります。
   ①使用可能期間を見積もる原則法
   ②耐用年数を見積もる簡便法
 現実として、①の使用可能期間を見積もる原則法は難しいので、実務上は②の耐用年数を見積もる簡便法が使われています。
 上記の※計算式が簡便法の計算式です。


2.1の車を買ったときに、157.500円(消費税込み)をかけて修理した場合
 中古資産を購入し、それを事業の用に供するために支出した改良等の金額は、その資産の所得価額に算入されます。また、その支出した金額が、その中古資産の取得価額の50%に相当する金額を超えている場合には、その改良等のために支出を行ったことが中古資産の使用可能期限を伸長させたと考えられるので、その中古資産の残存耐用年数の見積に当たっては、1の②の簡便法によることができません。
 ただし、法人が次の*算式によって計算した年数を、残存耐用年数としている場合には、それが認められます。
  a.消費税について税抜経理している会社
   固定資産に345.000円を計上してから、減価償却する。
     17.250円は、仮払消費税として資産計上
     345.000円×0.684=235.980円←損金算入            
             ↑耐用年数2年の償却率(定率法)*
  *345.000円÷(195.000÷1.2+150.000÷6)=1.84
                1.84<2  2年未満は2年とする
 b.消費税について税込経理している会社
      固定資産に362.250円を計上してから、減価償却する。
      362.250円×0.684=247.779円←損金算入
          ↑耐用年数2年の償却率(定率法)※
  *362.250円÷(204.750÷1.2+157.500÷6)=1.84
                1.84<2  2年未満は2年とする

★2の場合でも、中古車を購入して、しばらくたってから修理した場合は、20万円未満なので、修繕費となります。

金融公庫の金利引下げ 固定金利2.7%


 国民金利公庫の金利が、4月9日から引き下げられ、2.7%となりました。
 ◎国の事業ローン (普通貸付)
      融資額  4800万円以内
    返済期限 運転資金  5年以内
         設備資金  10年以内
      金利   年2.7%(固定金利)
 その他、各種の融資制度があります。融資制度を組み合わせますと、最高1億2千万円まで利用できます。くわしくは、電話または窓口でご相談下さい。
 なお、年2.7%は、公庫史上最低金利です。

連絡先 国民金融公庫
 三鷹支店 ☎0422-43-1151
 渋谷支店 ☎03-3464-3914

 

 


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1997年05月01日