第15号 年末調整、宝くじと競馬

年末調整

師走に入り、寒さが一段と厳しくなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年も年末調整の時期になりました。昨年の12月に通信第3号で、年末調整について取り上げましたので、今年は主な改正点について簡単に、述べたいと思います。

 

<主な改正点>
1.今年から所得税の税率が緩和されました。
所得が900万円の人は、特別減税前で30万円も所得税が軽減されます。【後記税率表参照】
2.給与所得控除額が引き上げられました。
サラリーマンは、事業者に比べ必要経費がないとよく不満の声を聞きますが、実はこの必要経費に代わるものが給与所得控除額なのです。わずかの引き上げですが、実際に出費しなくても控除されるので、ある意味では事業者より有利になっている場合もあります。
3.配偶者控除額、扶養控除額、配偶者特別控除額及び基礎控除額がそれぞれ3万円引き上げられ38万円になりました。
4.扶養にすることができるかどうかは、所得が38万円以下の人の場合になりました。(給与の場合は103万円以下です。)
5.年末調整を行うことのできる人の給与額は、2,000万円以下に引き上げられました。
6.昨年に引き続き、今年も特別減税が実施されます。年税額の15%です。但し、今年は最高が5万円なのであまり期待はできません。
7.住宅所得等特別控除の所得要件が2,000万円以下に引き下げられました。住宅所得控除については、毎年のように要件が変わりますのでご注意下さい。借入金で自宅を購入する予定のある方は、購入時点で当永嶋事務所までご連絡下さい。

 

<扶養親族などの年齢>
扶養している親や子供の年齢によって、老人扶養親族になったり、特定扶養親族になったりしますので、年齢の確認を必ずお願いします。
また、老年者に該当する人も、確認をお願いします。
特例扶養親族は、16歳以上23歳未満の人です。
(昭和48年1月2日から昭和55年1月1日までの間に生まれた人)
老人扶養親族は、70歳以上の人です。
(大正15年1月1日以前に生まれた人)
老年者は、65歳以上の人です。
(昭和6年1月1日以前に生まれた人)

宝くじと競馬

10月末から天皇賞、菊花賞、ジャパンカップ、12月に入ってからは有馬記念と競馬ファンには楽しみな季節になりました。また、年末ジャンボ宝くじの発売も始まり、巷は歳末商戦で大忙しです。もしも、大金を手にしたら税金はどうなるでしょうか。
宝くじの当せん金は、本来一時所得として、所得税が課税されるところですが、「当せん金附証票法」という特別の法律があってその第13条で宝くじの当せん金は、非課税となっております。ですから、当せん金額が1億3,000万円であっても300円であっても税金はかかりません。
一方競馬でもうかった場合はどうでしょうか。
たとえば、1レースから10レース迄各レースごとに1万円ずつ合計10万円買ったとします。第7レースで万馬券が当たって500万円もうかりました。さあ、そのときの税金は?
500万円―1万円―50万円=449万円
449万円×1/2=224万5千円
224万5千円に対して10%~50%の税金がかかります。税率に差異があるのは、所得税法は、超過累進税といって、所得の高い人ほど税金が高くなる仕組みになっているからです。
【参考】平成7年以後の税率表
課税所得金額(A)        税額
330万円以下           (A)×10%
330万円超900万円以下      (A)×20%-33万円
900万円超1,800万円以下     (A)×30%-123万円
1,800万円超3,000万円以下    (A)×40%-303万円
3,000万円超           (A)×50%-603万円

 

 


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1995年12月01日