第321号 内藤祐介税理士事務所創立1周年,消費税軽減税率8% シリーズ、        相続税の納付

内藤祐介税理士事務所創立1周年

  内藤祐介税理士事務所は、昨年6月に開業しましたが、顧問先様の温かいご声援のおかげで、順調に推移してまいりました。
 この1年間振り返ってみますと、コロナ禍で、顧問先様の多くが大変な思いをされ、税務相談も多くあり、新所長も多忙な1年を頑張りました。
 初心を忘れず、職員一同業務に専心努力いたしますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。

消費税軽減税率8% シリーズ

 2019年10月1日の消費税率10%への引き上げと同時に、消費税の軽減税率8%が導入されました。
 導入されてから2年近くにならんとしていますが、まだまだ確信が持てない部分がありますので、少しずつ紹介していきたいと思います。


 紙の新聞と電子版の新聞を一緒に購読契約の場合

 軽減税率の適用対象となる「新聞」は、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する新聞(1週に2回以上発行する新聞)で、定期購読契約の新聞です。
 他方、インターネットを通じて配信する電子版の新聞は、電気通信回線を介して行われる役務の提供である「電気通信利用役務の提供」に該当し、「新聞の譲渡」に該当しないことから、軽減税率の対象となりません。
 一括で支払いの場合、今年の4月からは、原則総額表示もありますので、消費税がいくらかわかりづらいと思いますので、請求書等の確認が必要になります。そのほか、ウーバーイーツに頼んだ場合等、配送料は10%、食品は8%、なので、経理の方の負担が益々増大して大変と思いますが、間違わないようにお願いいたします。

相続税の納付

 相続税に限らず、税金は、金銭で一時に納付することが原則です。
 30年以上、相続税の申告を行ってきましたが、今回ほど、相続人が納税に苦しんだことはありませんでした。納付期限直前まで現金が用意できなかったのです。
 相続税は、被相続人が亡くなってから10か月以内に納付しなければなりません。金融資産が少ない場合、不動産があっても、現金に換えなければ納付できません。不動産の売却や借入金でうまく納税できれば良いのですが、できない場合、延納という方法があります。
 相続税額が10万円を超え、金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として、担保を提供することにより、年賦で納付することができます。
 これを延納といいますが、この延納期間中は利子税の納付が必要となります。相続税の金額によりますが、分割納付のできる期間は、5年から20年です。
 なんだか、誰でも延納できそうですが、金銭で納付することを困難とする事由ということが、非常に難しい条件なのです。
 被相続人の残したすべての現金・預金から債務や葬式費用を引いた残額(A)に、相続人固有の現金・預金から3か月間の生活費と事業をやっている相続人は1か月分の経費を引いた残額(B)をプラスした金額を納税額から控除した残額(C)のみ延納できます。
 つまり、亡くなった方の金融資産が少なくても、相続人自身の預貯金がある場合は、延納ができないということです。親が亡くなって、子供が相続する場合、将来の自分の子供の教育資金として定期預金をしていても、相続人固有の預金として延納できない金額に含まれますし、共働きの妻の生活費の計算までも追及され、申請には面倒な計算があります。
 ですから、延納の申請をしても、何度も書類を書き直すように、求められたり、延納の申請を却下されたりする場合もあります。
 昨年9月第312号で「相続税の用意していますか?」を書きましたが、今後、相続税は富裕層のみの税金ではなくなりましたので、日ごろから、我が家の相続税はどのくらいかと考えることをお勧めします。

 


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2021年06月01日