第169号 経営承継円滑化法、最低賃金法の改正 時給739円

経営承継円滑化法

中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律が今年5月9日に成立し、今日10月1日から施行されました。ただし、遺留分に関する民法の特例の規定は、平成21年3月1日から施行されます。
 この法律は、中小企業の代表者の死亡等が、その企業の継続を難しくする場合もあることから、中小企業における経営の承継の円滑化を図るため創設されました。

1.遺留分に関する民法の特例

一定の要件を満たす中小企業者の後継者が、先代経営者の遺留分権利者全員と合意を行い、所要の手続(経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可)を経ることを前提に、以下の遺留分に関する民法の特例の適用を受けることができます。

①後継者が先代経営者からの贈与等により取得した株式等について、遺留分を算定するための財産の価額に算入しないこと

②後継者が先代経営者からの贈与等により取得した株式等について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を合意の時における価額とすること

2.支援措置

代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い、事業活動の継続に何らかの支障が生じていると認められる中小企業者が、経済産業大臣の認定を受けた場合において、以下の支援制度が設けられました。

①当該中小企業者の資金の借入れに関し、中小企業信用保険法に規定する普通保険等を別枠化する。

②当該中小企業者の代表者に対して、株式会社日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫が必要な資金を貸し付けることを可能とする。

3.相続税の課税についての措置

平成21年の税制改正で、自社株式にかかる相続税の納税猶予制度の創設が予定されています。

5年間の事業継続で、雇用の8割以上を維持する等一定の要件により、経済産業大臣の認定を受けた非上場中小企業の株式等の課税価格の80%に対応する相続税について、納税猶予するというものです。

この納税猶予制度が創設された場合は、非上場取引相場のない株式等に係る納税猶予制度の特例は、平成21年度税制改正にもかかわらず、成立した場合は、平成20年10月1日から、繰上げ適用の予定となっています。

遺留分に関する民法の特例は、何故民法で遺留分の減殺請求の規定があるのかと考えた場合、適用する場合は、よくよく考えて判断する必要があると思います。



最低賃金法の改正 時給739円

「最低賃金法の一部を改正する法律」が、平成19年12月5日に公布され、平成20年7月1日から施行されました。すべての労働者について、最低限度の賃金水準を保障する、地域別最低賃金の決定基準の改正です。

地域別最低賃金を決定する場合には、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性にも配慮することとし、都道府県ごとに決定され、東京都の場合は、時給739円です。最低賃金額の表示が時給のみになります。最低賃金額に算入されないものは、精皆勤手当て、通勤手当、家族手当、賞与、残業手当等です。職務手当は算入されます。

最低賃金法では、域別最低賃金額を下回る賃金を支払った場合、罰金の上限額が2万円から50万円に引き上げられました。産業別最低賃金額を下回る賃金を支払った場合については、最低賃金法の罰則は適用されず、労働基準法の罰則規定(罰金の上限額30万円。)が適用されます。

また、すべての労働者に最低賃金を適用するため、適用除外許可規定がありましたが廃止され、これに代わり、使用者が都道府県労働局長の許可を受けた場合は、労働能力その他の事情を考慮して、厚生労働省令で定める率を減額した額により最低賃金の効力についての規定を適用することができます。

 

 

 

 


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2008年10月01日