永嶋税理士事務所通信150号
永嶋税理士事務所通信は、皆様のお蔭をもちまして、今月で150号の節目を迎えることができました。心からお礼を申し上げます。
永嶋税理士事務所通信第1号は、平成6年10月に発刊しました。
永嶋事務所を開業しましたときは、まさにバブルの崩壊の年、平成3年でした。当時、中小企業にとりましては、バブルの崩壊が直接は影響せず、何とか元気にやっていました。
しかし、その後徐々に景気が低迷し倒産する会社も出てきました。
昨今景気が回復したとマスコミは報道していますが、それは大企業、特に輸出企業であって、中小零細企業には程遠い話のように思われます。 現実に、大企業の孫請けである顧問先の工場では一個あたり単価の切り下げを要求されています。やっと景気回復かと喜んだのも束の間というところでしょうか、単価の切り下げによって、月間の利益を確保するため、今のところ夜中までの長時間労働により何とかしのいでいます。
また消費者の立場で考えれば、中高年のリストラ、若者の派遣社員やフリーターなどのためか、個人消費がなかなか回復してこない状況にあります。
こんな中、顧問先の皆様が元気を出して、現実の夢を追いかけ、明日へ向かって頑張れることを切に願っております。そのために、微力な私といたしましては、少しでもお役にたてる情報を、永嶋税理士事務所通信を通じて提供できればと考えています。
定期同額給与
法人が支給する役員給与については、役員が直接己に対し、経済的利益を帰属させることができるため、お手盛り的な支給が懸念され、従来から課税の公平上、いろいろな規定がありました。
昨年会社法が施行され、法人税法も役員給与について改正になり、今年の3月決算の会社から適用になります。
永嶋税理士事務所通信でも既に「特殊支配同族会社の業務主宰役員給与の損金不算入(143号)」「役員給与の損金不算入(144号)」と掲載しました。
今月は、実務上一番大切な「定期同額給与」をとりあげます。
「定期同額給与」とはその支給時期が一月以下の一定の期間ごとであり、かつ、当該事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与、簡単にいうと、毎月同額の給与ということです。
事業年度の途中で役員給与を上げたり、下げたりした場合は、支払った役員給与全額が損金不算入になってしまうと通信144号で書きました。
しかし、18年12月に国税庁から「役員報酬に関する質疑応答事例」が公開され、条文はそのままにして、取り扱いを次のように説明しています。
定期給与の額とは、その事業年度開始日のから3か月以内に改定がされた場合で、改定前の期間の支給額が同額である定期給与、改定後の期間の支給額が同額である定期給与、ただし法人の経営が著しく悪化したことで減額したときは、その減額後の期間の支給額が同額である定期給与です。 たとえば50万円の役員報酬であったのに半年後に70万円にした場合は
20万円×6ヶ月分が損金不算入になります。逆に、法人の経営が著しく悪化していないのに、50万円であった役員報酬を半年後に20万円にした場合は、30万円×6ヶ月分が損金不算入になります。
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