第122号 老年者の税金 配偶者特別控除の改正 老年者控除の廃止 公的年金控除の改正 定率減税の見直し

老年者の税金

 税制上、65歳以上の老年者は今まで大変優遇されてきましたが、少子高齢化に伴い、各種優遇制度が見直されることになりました。最近の高齢者は、積極的に社会活動に参画し経済的にも現役世代と遜色のない者がいる一方で、健康状態がすぐれずに経済力が低下した者もいるなど極めて多様な姿となっています。年齢だけを基準に画一的に取扱うことではなく、現役世代のやる気を維持できるよう、世代間の不公平を取り除くために、また高齢者間の公平を図るために改正されます。

○平成16年からの改正 (今年から)

配偶者特別控除の改正
 
配偶者特別控除のうち配偶者控除に上乗せして控除対象配偶者(合計所得金額38万円以下の配偶者)に適用される部分の廃止 つまり配偶者控除と配偶者特別控除の重複適用は認められなくなりました。

○平成17年からの改正

老年者控除の廃止 

  合計所得金額から50万円控除できる老年者控除が廃止になります。「老年者」とは、65歳以上で合計所得金額が1000万円未満の者をいいます。

公的年金控除の改正

 公的年金控除額は、定額控除と定率控除があり、従来は65歳以上と未満で計算方法が異なりましたが同一になりました。ただし、最低保障額は65歳以上120万円未満50万円です。

公的年金が200万円の場合の年金に係る所得金額

  改正前   65歳以上 70万円  65歳未満 112.5万円

  改正後   65歳以上 80万円  65歳未満 112.5万円

公的年金が330万円の場合の年金に係る所得金額

  改正前   65歳以上 187.5万円  65歳未満 225万円

改正後 65歳以上  225万円  65歳未満 225万円

上記のように、年金が330万円以上になると、65歳以上と未満で所得金額が同じになります。

 ○今後の改正予定

定率減税の見直し

 平成11年に金融システムの不安の中、個人消費を刺激するため、所得税20%住民税15%の減税を実施し、現在に至っています。(最大年間29万円) 
 小泉首相は、10月18日の衆院予算委員会で、定率減税を来年度から段階的に縮小していくことが今後の選択肢になると表明しました。基礎年金の国庫負担割合を1/3から1/2にする財源にあてようとするねらいとのことです。

65歳以上の老年者は、大変なことになりました。

 




 

 


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2004年11月01日