第85号 失業手当の給付、従業員の横領で重加算税、教育の必要性

失業手当の給付

保険財政の赤字をくい止めるため、雇用保険法の改正があり今春4月から失業手当の給付日数が大幅に変わりました。

 

1.一般の離職者

雇用保険
加入期間
5年未満 5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上    
一般
被保険者
  90日   120日 150日 180日
短時間
労働者
  90日   90日 120日 150日

 

2.倒産・解雇等の場合

雇用保険
加入期間
1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
30才未満 90日
( 90日)
90日
( 90日)
120日
( 90日)
180日
(150日)
-
( - )
30才以上
45才未満
90日
( 90日)
90日
( 90日)
180日
(150日)
210日
(180日)
240日
(210日)
45才以上
60才未満
90日
( 90日)
180日
(180日)
240日
(210日)
270日
(240日)
330日
(300日)
60才以上
65才未満
90日
( 90日)
150日
(150日)
180日
(150日)
210日
(180日)
240日
(210日)


()内は短時間労働被保険者の場合で、1年以上の継続雇用が見込まれ
1週間の所定労働時間が20時間以上の者です。

従業員の横領で重加算税

7月26日、大阪高裁の判決がありました。


一経理社員が売上を除外して横領し、会社に損失が生じたとしてもその損失額を損金に算入して申告することはできません。つまり横領された分、収入が減少したにもかかわらず損失分を加算したところで(横領がなかったとして)法人税の計算をしなければなりません。


損失分を費用だとして裁判で争ったA社は、重加算税までも賦課されました。その理由の一つは、横領された場合、損失が発生しても会社はその横領をした者に対してその損失額と同額の損害賠償を請求することができるからです。つまり、横領した者から将来返済してもらえる可能性があるため原則として所得額が変わらないということです。


因みに、横領した者が自己破産等で返済不能ということがはっきりするまでは損害賠償請求権があり、費用になりません。


二つめは、いくら一経理社員の横領行為であったとしても会社経営者の放漫経営で、現金の管理や経理帳簿などの作成をすべて従業員任せにして会社は、それに基づいて申告を行ったのですから結果的に、法人自身が仮装・隠ぺいを手段とした過少申告を犯したことと同じにみなされ重加算税が賦課されたのです。


 

 

 


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2001年10月01日