第298号 令和元年の路線価、民法相続法の改正

 

 令和元年の路線

  本日午前11時に令和元年の路線価が発表されます。
 本日は、アクセスするのが混むと思いますので、夜とか明日以降にチェックするのが

 良いと思います。    

       http://www.rosenka.nta.go.jp/

 

  民法相続法改正

 平成30年7月6日,民法を改正する法律が成立し、同年7月13日公布されました。そして一部を除き原則的には、本日令和元年7月1日から施行さます。
民法のうち相続法の分野については,昭和55年に配偶者の相続割合を1/3から1/2にするなど大きな改正がありましたが、その後は大きな改正はありませんでした。
今回の相続法の見直しは,社会経済情勢の変化に対応するものであり,残された配偶者の生活に配慮する等の観点から、配偶者の居住の権利を保護するための方策等が盛り込まれています。また、遺言の利用を促進し、相続をめぐる紛争を防止する等の観点から,自筆証書遺言の方式を緩和するなど,多岐にわたっています。概略を記載しました。次月以降に詳細を掲載します。下線の部分は、来年が施行日
1 配偶者の居住権を保護するための方策
 施行日=2020年4月1日施行=
(1) 配偶者短期居住権の新設
配偶者が、相続開始の時に遺産の建物に居住していた場合には、遺産分割が終了するまでの間、無償でその居住建物を使用することができる。
(2) 配偶者居住権の新設
配偶者の居住建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者にその使用を認める法定の権利を創設し、遺産分割等における選択肢の一つとして、配偶者に配偶者居住権を取得させることができる。
2 遺産分割等に関する見直し
(1)  配偶者保護のための方策
 婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産を遺贈又は贈与されたときは、持戻しの免除の意思表示があったものと推定し、被相続人の意思を尊重した遺産分割ができるようにする。
(2)  遺産分割前の払戻し制度の創設等
相続された預貯金債権について、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済などの資金需要に対応できるよう、遺産分割前にも払戻しが受けられる制度を創設。
(3) 遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲
相続開始後に共同相続人の一人が遺産に属する財産を処分した場合に、計算上生ずる不公平を是正する方策を設けた。
3 遺言制度に関する見直し
(1)  自筆証書遺言の方式緩和  
施行日=2019年1月13日=
自筆でない財産目録を添付して自筆証書遺言を作成できるようにする。
(2) 遺言執行者の権限の明確化
(3) 法務局での自筆証書遺言の保管制度の創設
 施行日=2020年7月10日=
4.遺留分制度に関する見直し
 遺留分減殺請求権の行使によって当然に物権的効果が生ずるとされている現行の規律を見直し、遺留分権の行使によって、遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずるものとしつつ、受遺者等の請求により、金銭債務の全部又は一部の支払につき裁判所が期限を許与することができるようにする。
5.相続の効力等に関する見直し
 相続させる旨の遺言等により承継された財産については、登記簿の対抗要件なくして第三者に対抗することができるとされていた現行法の規律を見直し、法定相続分を超える権利の承継については、対抗要件を備えなければ第三者に対抗することができないようにした。
6.相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
相続人以外の被相続人の親族が、被相続人の療養看護等を行った場合には、一定の要件の下で、相続人に対して金銭請求をすることができる制度(特別の寄与)を創設

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2019年07月01日