お金がないのに黒字?
よく手許にお金がないからもうかってないという話を耳にしますが、必ずしもそうとは限りません。いわゆるもうけと、法人税法上のもうけとは違うからです。たとえば、工場を建てたり、車を買って多額のお金を支出したら?
借金で土地を買ったけど予算不足でしばらく更地のままにしておいたとき、借金の支払や利息を払ったら?これらは、お金は出ていきますが、損金(法人税法上の経費を損金といいます)にはなりません。ですからもうかったことになってしまうのです。
では工場を建てたり、車を買ったら全く経費にならないかというと、それは、減価償却という形で損金になります。今月は、減価償却入門偏です。
減価償却
税法上、減価償却できる金額は、その資産について定められた償却方法や耐用年数によって計算した金額です。
具体的にはつぎのように計算します。
3月決算の会社が、5月に新車(マークⅡ)を300万円で購入しました。会社は定率法を選択しています。法定耐用年数は6年です。
取得価額×償却率×11/12月=損金にできる金額
300万円×0.319×11/12月=877.250円
初年度の減価償却費は877.250円になります。
<減価償却できる資産>
減価償却できる資産は、建物・電気設備などの建物付属設備・塀などの構築物・機会及び装置・船舶・航空機・車両運搬具・机、椅子などの工具器具備品・特許権などの工業所有者権・牛馬、果樹などの生き物です。
<減価償却できない資産>
減価償却できない資産は、棚御資産、土地、電話加入権の他、古美術品などの書画骨董や、事業に使っていない資産です。
<取得価額>
購入した場合
購入先に支払った代金+購入手数料+事業に使用するまでの費用
建設・製造した場合
製造原価(原材料費+労務費+経費)+事業に使用するまでの費用
ここで注意しなければならないことは、支払った代金や製造原価の他に、付随費用も取得価額に含まれるということです。
<少額の減価償却資産>
取得価額が20万円未満(199.999円以下)の資産は、その全額を損金にすることができます。
20万円以下の品物を購入するときは、上手に値切って20万円未満(199.999円以下)になれば、全額損金にすることができます。
取得価額は、上記のように付随費用もプラスして20万円を判断します。
また、消費税について税込経理をしている会社や、免税の会社は、消費税をプラスしたところで、20万円を判断しますので、ご注意下さい。
一年間を振り返って
永嶋税理士事務所通信も早いもので、第12号になりました。この一年間を振り返ってみていろいろ反省しています。毎月1日発行なのに月末に完成していなくて、1日の夜明けに出来上がったこともありました。通信の内容については、あれも書きたい、これも書きたい、顧問先の皆様は何を必要としているのかしら、と考えていると、A4の用紙ではとても足りません。
そこで、独断と偏見で適当に短い文章にしてしまうので、内容については、ご不満の部分が多いかと思います。その点については、こちらからお伺いした折や、お電話でしたらいつでもご連絡いただければご説明申し上げます。
どうぞ皆様、これからも末永く続けて行きたいと思いますので、長い目で見守って下さいます様、お願い申し上げます。
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