第102号 2,500万円の贈与、インターネットで確定申告書の作成

2,500万円の贈与

 現在国会で審議されている改正案が成立すると、今年の1月から贈与に関して法律が大きく変わります。20歳以上の子が65歳以上の父母や祖父母から2,500万円までの贈与を受けた場合、そのときは税金がかかりません。贈与をした父母などが亡くなったとき、相続税で精算するというものです。これは税制調査会の報告によりますと、高齢者の持つ貯蓄資産を早く子供達に移転することにより、次世代の経済基盤を形成しつつ、市場活性化を目指して、デフレ不況からの脱却をはかろうと、新たな法律を創設しようとしているものです。


 住宅取得資金等の贈与を受ける場合には,更に1,000万円上乗せで、3,500万円まで贈与時に税金がかかりません。この場合は65歳未満の父母などからの贈与も適用されますが、子供は20歳以上でなければ適用はありません。父母や祖父母それぞれから2,500万円の贈与を受けることができますので、多い人は1億円の課税を猶予されることになります。
 また,新制度により計算される贈与税の額は,選択をした年以後については、基礎控除110万円を控除しないで,その年の贈与財産の価額の合計額から,複数年にわたり2,500万円に達するまで利用できる非課税枠を控除した後の金額に,一律20%の税率で計算するとされています。すなわち、20%の税金を納付すれば、贈与額は2,500万円にこだわらずいくらでもよいのです。
 この制度の適用を受けようとして最初の贈与を受けた人は,翌年3月15日までに納税地の所轄税務署長に、贈与税の申告書を提出しなければなりません。同時にこの制度を選択する届出書を申告書に添付して提出しなければなりません。。


 この制度は,贈与を受けた子供ごとに選択できます。また,贈与者である父,母ごとに選択することができます。そして,最初の贈与の際に新制度を選択することを届出ると,相続時までこの制度は継続して適用されることになります。つまりその人は一生、新制度が適用されて元に戻れないということです。非課税というより課税の繰り延べという方があっているのかなと思います。ただし、2,500万円以上であっても20%の税金を納付すればよいので、運用益の生じる資産を贈与すれば子供に財産の移転をはかることができますし、相続税の課税のない人(相続税は亡くなった人の5%が要申告)は、生前に贈与を受けることで争いを避けたり、親子で生活設計をたてることができるのではと思います。

 この法律の成立に先立って、私の所属している岩下資産税研究会で本を出版しました。
【相続時精算課税の実務100問100答】出版社は税務経理協会で価格は、2,520円です。
永嶋事務所にありますので、必要な方はご一報ください。

インターネットで確定申告書の作成

来年から一部で電子申告が始まります。インターネットを使って申告するというもので、時の流れの速さに驚いています。また今年からインターネットを使って確定申告を作成することができます。私は試しにやってみたのですが、カラープリンターを使用すれば、コピー用紙にカラーできれいに申告書が作れるのです。感激しました。私の事務所は、高いソフトを毎年バージョンアップして使っているのに、誰でも無料で簡単に利用できます。横の穴は空いていなくても、あとで税務署があけるのでOKとのことです。医療費控除のように毎年申告しない人は、税務署へわざわざ用紙を貰いに行かないで済みます。申告書の作り方は、まず検索エンジンで【国税庁】を選択します。あとは書いてあることに従い、確定申告書作成コーナーへ。何はともあれお遊びと思ってやってみたら いかがですか。

 

 

 


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2003年03月01日