第07号 贈与税の配偶者控除、住宅取得等特別控除

確定申告を終えて

1月17日に阪神大震災が発生し、被災者の皆様には心からお見舞い申し上げます。被災者の皆様にとって、怪我や精神的な苦痛はもちろんのこと、財産をなくされ大変にお困りのこととお察し致します。そこで、今回は災害救助等の義捐金の取扱い、及び災害を受けた納税者の救済措置についてお知らせします。

Ⅰ.義捐金と寄付金

個人が特定寄付金を支出した場合には、一定の算式により計算した金額をその年分の所得から寄付金控除として控除を受けることができます。又法人の国又は地方公共団体に対する寄付金及び指定寄付金は、その全額を損金に算入することができます。

特定寄付金とは、次に揚げるものをいいます。

① 国又は地方公共団体に対する寄付金

② 公益法人等に対する寄付金で大蔵大臣が指定したもの
4月に入り、さくらの花が咲き始めました。高齢の確定申告も無事に終えて、例年でしたらほっと一息しているところですが、今年は1月の阪神大震災、3月に地下鉄サリン事件、警察庁長官に対するテロ事件が起き、身を震わせる思いをしています。

さて、今月は確定申告をして気がついたことについて書きたいと思います。

所得税や相続税は、超過累進化税といって所得金額が多い人ほどに税率が高くなるので、なるべく夫婦の財産を平均化して所有することが賢明かと思います。例えば将来、現在住んでいる家を売却しようと考えているときは、夫だけの名義の家の場合と妻と共有の家の場合とでは税金の額に大きな違いがあります。又、相続が発生したとき、全財産が夫名義であったら、全財産に対して税金がかかりますが、妻名義の財産があれば、その文税金が少なくてすみます。ですから共働きの夫婦の場合、不動産等を購入するときはなるべく共有名義にするのが良いと思います。又、既に所有している住宅が夫1人の名義になっている人には、贈与税の配偶者控除を適用して贈与することを、お勧めします。すでに皆様よくご存知と思っていましたが、知らない方が案外いらっしゃることがわかりました。

贈与税の配偶者控除

1.贈与税の配偶者控除を適用できる人

婚姻期間が20年以上である配偶者から居住用不動産の贈与を受けた人が、翌年3月15日迄にその家に住み、その後も引き続きその家に住む見込みの場合は、2,000万円の配偶者控除を受けることができます。

又は、婚姻期間が20年以上である配偶者から金銭の贈与を受けた人が、翌年3月15日迄にその金銭で住居用不動産を購入し、その家に住み、その後も引き続きその家に住む見込みの場合は、2,000万円の配偶者控除を受けることができます。

尚この規定は、一生緒に一度しか適用できません。

2.贈与税の配偶者控除を適用できる場合

贈与を受けた年の翌年3月15日迄に、贈与税の申告書を提出するとともに、次の書類を添付しなければなりません。

① 戸籍の謄本又は抄本

② 戸籍の附票の写し

③ 住居用不動産に関する登記簿の謄本又は抄本

④ 住民票の写し

不動産の贈与は、司法書士に依頼して登記を行いますが、不動産の評価の問題がありますので、事前に必ず税理士に相談して下さい。

住宅取得等特別控除

不動産所得のある方が、確定申告の依頼に来所された折に、借金して家を買ったんですよと嬉しそうに話されました。私は、住宅取得控除をして欲しいと言われるものと思っていましたが、その方は住居取得等特別控除について全くご存じなかったのです。計算したら平成6年から6年間にわたって合計160万円も税金が戻ることがわかりました。

☆ 住居取得等特別控除とは

☆ 借入金で住宅を取得したり、100万円以上の増改築をして、その取得の日から6ヶ月以内にその家に住み、引き続きその年の12月31日まで住んだ人で、その年の所得金額が3,000万円以下の場合は、入居した年から6年間税額控除を受けることができます。

☆ 税額控除できる額

6年間、年末借入金残高に対し、次のように計算した金額が控除できます。

① 1,2年目 (最低30万円)

年末借入金残高が1,000万円以下  1.5%

1,000万円超2,000万円以下  1%

2,000万円超3,000万円以下  0.5%

②3~6年目 (最高25万円)

年末借入金残高が2,000万円以下  1%

 2,000万円超3,000万円以下      0.5%

その他いろいろ条件がありますので詳しくは、永嶋事務所まで


 


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1995年04月01日