合併問題にまつわる日記

7月8日(金)

 昨日、藤野小学校の体育館で、町長候補の演説会があった。藤野の町長選でこんな演説会をするなんて始めての事じゃないか。

 この町長選、どうなるのかまるで予想がつかない。私は最後のビラ撒きを手伝う。

 藤野町は、人口1万人の小さな町だと言う。小さな町だから将来が心細いだろうと、はやし立てるやつがいる。
 私の意見では、人口1万人は「ちょうどいい大きさ」であっても、決して「小さな町」ではない。相模原市の人口62万人と比較したりするから、変な劣等感を抱いてしまう。
 神奈川県は、来年には大阪府を抜いて、全国で二番目に人口の多い都道府県になるそうだ。
「神奈川県の基準」で物事を考えると、自治体とは何か、住民にとって、もっとも幸福を維持しやすい町の大きさは何かを考える時に、判断を誤る。

アジサイが綺麗です。
牧馬にも選挙のポスターが貼り出されました。

 相模原市の人口62万人が『正常』だろうか。
 人口で言えば、相模原市は県レベルの大きさを持つ。山梨県は88万、島根は75万、高知は81万、鳥取に至っては61万と相模原市よりも少ない。
 相模原市と比較したら藤野町は小さいかもしれない。しかし、『県』レベルと比較したら、市町村はそれよりも小さくて当たり前だ。

 私は、人口1万人の藤野町が、どうして合併しなければならない自治体なのか理由が判らない。しかし、何だか合併しなければ悪いかのような、世間に対して申し訳ないようなイメージばかりが振りまかれる。
 そして、「これが最後の合併のチャンス」と人の心を煽る戦術ばかりが幅をきかせる。つづく>>

7月10日(日)

 まだ若いカマキリ。写真では大きく見えるかもしれませんが、まだ3〜4センチ程度でした。それでも、何か餌を狙う時の姿には、一人前に緊張感を感じます。
 下の花はヤブカンゾウ。今年は例年よりも沢山咲いている感じ。

(注1)『易経』 坤卦 上六
原文は
龍戦于野。其血玄黄。

 今日は藤野町の町長選・補議選の投票日。さてどうなることやら。

 この選挙戦。終盤になって泥試合の様相を呈してきた。合併推進派は毎日のように違うビラを撒いて、『藤野町はもうだめだ』と煽り、自立派は『いや大丈夫だ、合併の方が危険だ』とビラを配る。すると推進派は『いい加減な情報に左右されないように』と、またビラを撒き、それを受けて自立派は『悪質なデマで住民を煽動している』と批判する。
 両陣営とも返り血で血まみれだろう。

 龍が野で戦い、黒い血と黄色い血を流す。(1)

 印刷屋はさぞかし儲かったのではないか。もっとも、このビラ合戦は駅周辺の住宅密集地だけのようで、牧馬は静かなものだ。

 神奈川16区の自民党衆議院議員が、合併推進派の町長候補の応援を昨日表明。一方で地元の自民党県議は自立派を応援している。
 藤野に限った話ではないが、この平成の大合併では、自民党はかなり地方の選挙地盤を失ったそうだ。その土地の保守層を二分させる政策だからな。
 自民党に同情する気もないが、何で総務省のいいなりになって、自らの足元を切り崩すような政策にゴーサインを出したのか理解に苦しむ。

 いろいろ信じられない出来事もあった。藤野に一つだけある中学校で、学校側から生徒に対して、合併問題に関する運動に関わったり、発言したりするなと注意があった。これに父母が逆に反発し、学校に猛抗議がいったとか。

『子供達が身近な問題として、合併問題を考える事のどこが悪い。』
当然の反応だが、いかにも藤野らしい話だ。
 意外と、子供達は合併を望まない人が多い。藤野町に愛着があるのか、さほど相模原市を『かっこいい』とは思わないのか。
 それとも大人よりも簡単には諦めないのか。町に対して「夢」があるのか。つづく>>

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