日本で生きていくための宿命、ザ・お受験。そんな悪しき慣習に立ち向かう一匹の勇敢なワンコ蔵子の物語である。


「第4話 蔵子、お受験の巻」 

「遠吠えがする・・と思って戴きたい。」雪景色の富士山が観察できる小春日和の2月某日。
雲一つ無い粕壁の蒼い空の下、蔵子は一心不乱にコギ特別仕様車を漕いでいた。キコ、ギコ、ギ〜コ。(三輪車より遅いことにも気づかずに・・・)
「今日のお面接、大丈夫かな〜。面接官、キムチタクワンだったらどうしよ・・」
そう、この日、埼玉公立淑女高等学校美食科の試験日なのだ。
おっ特注〜るの制服を着こなし、ビシッと刈り上げたお尻、お手入れ完璧麻呂繭、
「ちょっとやりすぎたかなぁ〜・・・」と思いつつ、自転車をコギ続けた。
124分後、ポプラ並木の校門を通り抜け、自転車からダイブした蔵子は、
(緊張のあまり手と足を同時に出しながら)歩いて面接会場へ向かうのであった。

受験番号=OJUKEN-HA-TAIHEN KURAKO 「どんどん金鳥してきた。落着け、コギコギ・・蚊取信吾は緊張〜る?」あまりの緊張にパニック状態に陥った蔵子・・ その時、面接官の声「蔵子さ〜ん。どうぞ・・・」 ・・・ 肉球に犬と書いて口に飲み込み、なんとか冷静さを取り戻した蔵子は、頭の中で「完全面接マニュアル(・・・・・)」を開いのであった。
「完全面接マニュアル(・・・・・)」 @ノックは14回「ワン(入ってますか?)と聞く」。 Aドアに頭をぶつけ、面接官の心を掴む。 A長嶋さんスキップで椅子まで進む。 B軽くお尻を振り、面接官の膝の上に飛び乗る。 Cお土産(どっちもどっち、お食事券)を差し出す。 (ただし必ず「つまらないものですが〜」と1オクターブ上げておばさん口調で言う)
蔵子は確信した。「うん。これで完璧!大丈夫だわ!」 しかし、トンダBookで購入した面接マニュアル本のサブ・タイトルには小さな文字で、 「これでアナタも漫才師!吉本面接攻略版」 と書かれていたのであった。そんなことも知らずに・・・運命の面接が始まった。

Q1. 本校を志望した理由をお聞かせ下さい。
公立高校だと私の「サリーちゃんの靴下と茶髪」を黙認してもらえるのと〜、
わたしのモンローウォークには超ミニスカが外せないと思ったからです。

Q2.あなたにライバルはいますか?
「NOVAうさぎ」さんです。
雪洞お尻で歩く後姿、立派な立ち耳。
Head Phoneを利用したキッチリ、しっかりした芸。
コギのお株を奪うあのキャラは脅威だわ〜。

Q3.最近気になる時事問題はなんですか?
イクラちゃん問題よ。悪の枢軸、ブッシュ番長の横暴。
強大な軍事力を盾に、他の組にちょっとでも気に入らない奴がいたら、
生徒会の意見も聞かずやっつけてしまおうなんて、とってもワガママだと思います。
そこに愛はあるのか?と言ってやりたい気分です。

Q4.最後にあなたの夢を語ってください。
日本女性初の内閣総理大臣になり、不埒な悪行三昧の「政・官・財」を懲らしめることよ。
組閣メンバーも既に考えてあるわ・・・官房長官:サザエさん・・外務大臣:野原みさえママ・・・
面接の先生:どうもご苦労様でした。


これは、それだけの話である。だから・・・怒らないで貰いたい。

そして3日後、合否通知の速達が届くのであった。
・・・ワクワク、ドキドキ、慎重に封を開ける蔵子に笑顔が・・
淑女高等学校試食科:「梅咲く」

美食科は駄目だったけど、こうなったら試食科のTopを目指すわ!「デバ地下の女王お蔵」って呼んでね。

そんじゃ、See You Again.   蔵子、お受験の巻・・・・完

※本物語はクレヨン家のねえねに謎のメールを送信する
期待の注学生「プリティ・今度」君の短編小説を一部参考にしています。