3.Beat Reforming Project (BPR)

 

 今回のBRPでは、外科的手術を中心に手を入れることにした。走る・曲がる・止まる に関わる部分にはあまり手をかけず、見た目を向上させることに主眼をおいている。目標は、「今後十年乗ってもみすぼらしくない外観の構築」である。ビートが好きで乗っているのに、見た目がオンボロなせいで我慢して乗っているように思われるのは、個人的にかなり不満だからだ。

 メニューは以下の通りである。

        1.ECU修理  2.ゼブラ追放  3.幌交換   4.全塗装

 1 は今回唯一の内科手術。最近何かと話題に上るビートの新しい弱点だ。購入後、タイベル、メインリレー、エアコンコンプレッサーと一通り泣き所を交換してきたので、一応今回ECUを直せばしばらくは安心して乗れるかと思う。ROMをいじったものへの換装も考えたがノーマルであまり不足を感じていないし、今回は外見の追求が優先される都合上こちらへの予算の分配をしぼることにした。

 2 はビートの純正シートやフロアマットにデザインされているゼブラ模様のことである。これはこれで可愛い!と一部では好評なのだがあくまで一部であり実際には、やはりおおむね不評である(笑)。それはそれとしても、アニマルプリントやフラワープリントは個人的にも趣味でないので以前から交換を考えていた部分だ。運転席は早い時期に社外品へ交換済だが、現状の運転席だけ交換された状態ではやはり収まりが悪いため、助手席とフロアマットを交換しようと思う。

 3 は幌交換である。塗装面と同様に経年劣化が進んでいる箇所だ。全体的にツヤがなく、カバーを止めるスナップ部もサビが目立つ。これだけなら磨けばマシになるのだが、お約束の雨漏りやリヤスクリーンの不透明化も酷いので思い切って新品に交換することにする。しつこいようだが、目標は「十年乗れる外観の構築」であるから、中古品を手に入れてお茶を濁す訳にはいかない。

 最後が全塗装、いわゆるオールペンだ。当然のことながら、外観に与える影響は最も大きいといえる。今回のプロジェクトの要となるモディファイになるはずだ。

 

 ビートは趣味製の非常に強い車でありながら、ボディカラーのヴァリエーションが少ない。初期モデルで カーニバルイエロー、フェスティバルレッド、クレタホワイト、ブレードシルバー・メタリックの、つまり黄・赤・白・銀の4色しかなかった。その後、アズテックグリーン・パール(緑メタ)、キャプティバブルー・パール(青メタ)、エバーグレイドグリーン・メタリック(深緑) の3色が限定ながら追加されたが、それでも計7色しか存在しない。これでは潜在的に自己顕示欲の強いビート・オーナーは納得できないだろう。だから、ビート・オーナーの多くが、一度は全塗装を夢見るのである。

 しかし、全塗装を試みるには勇気が必要だ。まず、それ相応の費用が必要になる。DIY でやってしまう強者もいるが技術も場所も持たない自分はどうしたってプロに依頼することになるわけで、かかる費用はだいたい20万円以上、色によっては30万とも40万とも言われている。おいそれと踏み切れる金額ではない。しかも、全塗装は他のドレスアップと比べてやり直しがきかない。やってみたけれど気に入らないから元に戻す、という訳にはいかないのだ。必然的に全塗装をする色選びにも慎重になるわけだ。

 最初に考えたのはブルーだった。海の色であり空の色でもあるブルーは自然界にもっとも広く存在する色で(夜をすべて黒とするなら別だが)、私の一番好きな色だ。Ver.C の純正色はキャプティバブルーという青色だが、これはメタリックで、私的にはソリッドのブルーが欲しかった。ポカリスエットのブルーだとかローソンのブルーだとか色々考えはしたが、ちょっとありきたりなような気がした。それに我が家には、WRブルーマイカ のインプレッサという正当派ブルーの車と、ジェネシスブルーという緑がかった青色のプジョー306があり、この上ビートまで青く塗るのはいくら何でも面白味に欠けるだろう。

 では、ワインレッドのビートやダークグレー・メタリックのビートはどうだろう。どちらもビートによく似合う気がした。しかし、私の持つビートのイメージは「ポップで明るく、いい意味でおもちゃっぽい」というものなのだ。ワインレッドやダークグレー・メタリックは落ち着きのある大人の色で、ベクトルがまるで逆方向へ向いてしまっている。

 行き詰まってしまった私は原点に返ることにした。

 どんな色がビートっぽい色だろうか?

本当にビートに似合う色は何色だろうか?

理想のビートとはどんな色だろうか?


そして一つの
結論にたどり着いたのだ。

 

BACK

Honda BEAT TOP

NEXT